“不快”のいろいろな読み方と例文
読み方割合
いや29.3%
ふくわい26.8%
ふかい24.4%
こころわる4.9%
まず2.4%
わるい2.4%
こころわろ2.4%
こゝろわるう2.4%
わる2.4%
わるく2.4%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
そんなものは見たくないやうな氣がして——子供だからそれほど分明はつきり不快いやだとは思はなかつたかもしれないが、まあそんな覺えがあります。
鏡二題 (旧字旧仮名) / 長谷川時雨(著)
勘次かんじはおつたの姿すがたをちらりと垣根かきね入口いりぐちとき不快ふくわいしがめてらぬ容子ようすよそほひながら只管ひたすら蕎麥そばからちからそゝいだのであつた。
(旧字旧仮名) / 長塚節(著)
ぼくはそのかおながめた時、おもわず「ずいぶんやせましたね」といった。この言葉ことばはもちろん滝田くん不快ふかいあたえたのにちがいなかった。
滝田哲太郎君 (新字新仮名) / 芥川竜之介(著)
ものなき時は一書生の、湯銭にも事欠く代はりには、先生が晩餐の膳に、菜根を咬んで甘んずる、無私公平の快さ、良し土用中十日風呂へ這入らねばとて、これが不快こころわるきものでなし。
誰が罪 (新字旧仮名) / 清水紫琴(著)
三人は、毎日不快まずい顔を突き合わして暮した。お作は、お国さえけば、それで事は済むように思った。が、新吉はそうも思わなかった。
新世帯 (新字新仮名) / 徳田秋声(著)
「どうしたのだい、おまへ、その顔色は? 何処どこ不快わるいのか、ええ。非常な血色だよ。どうした」
金色夜叉 (新字旧仮名) / 尾崎紅葉(著)
白糸は一吃いっきつを試みぬ。はたしてそのことばのごとく、煙管は不快こころわろやにの音のみして、けむりの通うこといとすじよりわずかなり。
義血侠血 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
なやましげにて子猫こねこのヂヤレるはもやらでにはながめて茫然ばうぜんたりじやうさま今日けふもお不快こゝろわるう御坐ございますか左樣さうけれどうも此處こゝがとしてするむねうちにはなにがありやおもおもひをられじとかことば
五月雨 (旧字旧仮名) / 樋口一葉(著)
「君は喰わず嫌いだよ。会って見もしないで悪くいうやつがあるもんか。一度会って見ろ、決して不快わるい気持はしない、ごくさばけた男だよ、」
千代ちいちやんひどく不快わるくでもなつたのかいふくくすりましてれないかうした大変たいへん顔色かほいろがわろくなつてたおばさん鳥渡ちよつと良之助りやうのすけこゑおどかされてつぎ祈念きねん
闇桜 (新字旧仮名) / 樋口一葉(著)