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不快
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ふくわい
勘次はおつたの
姿をちらりと
垣根の
入口に
見た
時不快な
目を
蹙めて
知らぬ
容子を
粧ひながら
只管蕎麥の
幹に
力を
注いだのであつた。
玄関番の
書生に
不作法な
取扱を
受けると、
其処の
主人迄がいやになる。
著米早々の
此の
始末は、
少からず
僕等に
不快を
与へた。(四月三日)
今は
彼女の
顏に
驕りと
得意の
影が
消えて、ある
不快な
思ひ
出のために
苦々しく
左の
頬の
痙攣を
起してゐる。
彼女は
起つて
行く。
皆な
他の
者が
全く
默つて、
極めて
不快な
容貌をしてゐるにも
拘らず、
女王樣は
何から
何まで
一人で
饒舌つて
居られました。
奪ひ取りしに相違なしと御
檢使へ長庵より申立たるに依て夫道十郎
召捕れ御吟味中牢死仕つりし
也長庵儀は其朝は前夜より
不快にて弟十兵衞の出立を
お
絹の
話が
出て、お
絹は
愈々小田原に
嫁にゆくことに
定まつた一
條を
聞かされた
時の
僕の
心持、
僕の
運命が
定つたやうで、
今更何とも
言へぬ
不快でならなかつた。
私はこの
小娘の
下品な
顏だちを
好まなかつた。それから
彼女の
服裝が
不潔なのもやはり
不快だつた。
最後にその二
等と三
等との
區別さへも
辨へない
愚鈍な
心が
腹立たしかつた。
望生も
不快の
顏をしながら、
之見ろとばかり、
布呂敷包を
解くと、
打石斧が二百七十六
本※
恐れ
多しと
突く
手慇懃なり、
此ほどはお
不快と
承りしが、
最早平日に
返らせ
給ひしか、お
年輩には
氣欝の
病ひの
出るものと
聞く、
例の
讀書は
甚だわろし、
大事の
御身等閑におぼしめすなと
と
唱へ
出す
節は
泣くがごとく、
怨むがごとく、いつも(
應)の
來りて
市街を
横行するに
從うて、
件の
童謠東西に
湧き、
南北に
和し、
言語に
斷えたる
不快嫌惡の
情を
喚起して、
市人の
耳を
掩はざるなし。
卯平は
窪んだ
目を
蹙めるやうにした。
勘次は
放心した
自分の
懷の
物を
奪はれた
程の
驚愕と
不快との
目を
以て
卯平とおつたとを
見た。
此船の
主長ともいふべき
船長が
船橋より
墮落して、
心の
不快を
抱き、
顏に
憤怒の
相を
現はしたなど、
或意味からいふと、
何か
此弦月丸に
禍の
起る
其前兆ではあるまいかと
右十兵衞事
横死致し候場所に道十郎所持の
印し付の傘有之候に付申
譯相立難く
兩度程長庵と
突合せ御調べに相成候へ共道十郎は其前より久々
不快故申開きも心に
任せず
遂に牢死に及び候に付
彌々長庵が
辯舌にて道十郎の
罪科に相定まり死骸は御
取捨家財は
勘次は
時々持ち
込んだ
麁朶や
木の
葉が
理由もなく
減つて
居ることを
知つて
不快な
感を
懷いてはこつそりと
呟きつゝおつぎに
當るのであつた。
私は
昨夕以來のさま/″\の
不快の
出來事をば
洗ひ
去つた
樣に
忘れてしまつた。
同道にて忠兵衞の
宅に到り私しは赤坂表町家主長助と申す者なりと
初對面の挨拶も
濟扨段々と此お光より
承まはりしに
御自分事八ヶ年以前八月廿八日
未明に平川天神御參詣の
折節麹町三丁目
町醫師村井長庵にお
逢なされしとの事道十郎殿
寃の罪に
墮りしも長庵は其
朝不快にて
臥り居り弟の
見送にさへ出る事
能は