“市人”のいろいろな読み方と例文
読み方割合
いちびと72.0%
まちびと12.0%
しじん12.0%
いちんど4.0%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
小路を行交ゆきか市人いちびともすべてわが知れりしよりは著しく足早になりぬ。活計たつきにせわしきにや、夜ごとに集う客の数も思いくらぶればいと少し。
照葉狂言 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
(また、明日あすにも)という不安と虚無観が消え去らないと見えて、往来の市人まちびとの顔には、どれもこれも、落着かない色が見えていた。
親鸞 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
この頃江戸の町には奇怪な見世物が流行はやっていた。時代に投合したものか、市人しじんの趣向に適したものか、とにかく大変な人気である。
剣難女難 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
この界隈では市人いちんどと呼んでゐる、山奧から牛の背や荷車に薪や炭を積んで、町へ賣りに出る山男のやうな人々が、太政官の隱居に近い松林の小蔭に荷を卸して、肥料こえ柄杓の頭ほどある橢圓形の面桶めんつう
太政官 (旧字旧仮名) / 上司小剣(著)