“行交”のいろいろな読み方と例文
読み方割合
ゆきか91.7%
ゆきちが8.3%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
小路を行交ゆきか市人いちびともすべてわが知れりしよりは著しく足早になりぬ。活計たつきにせわしきにや、夜ごとに集う客の数も思いくらぶればいと少し。
照葉狂言 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
ちやう程行つてエスカウト河へ出たが、大小の汽船が煙を吐いて荷揚人足や荷車の行交ゆきかせはしい港街の光景に久しぶりに接する心地も悪くない。
巴里より (新字旧仮名) / 与謝野寛与謝野晶子(著)
きいた風な若旦那は俳諧師はいかいしらしい十徳じっとく姿の老人と連れ立ち、角隠つのかくしに日傘をかざしたうわかたの御女中はちょこちょこ走りの虚無僧下駄こむそうげた小褄こづまを取った芸者と行交ゆきちがえば
散柳窓夕栄 (新字新仮名) / 永井荷風(著)
片側の商店あきないみせの、おびただしい、瓦斯がす洋燈ランプの灯と、露店のかんてらが薄くちらちらと黄昏たそがれの光を放って、水打った跡を、浴衣着、団扇うちわを手にした、手拭を提げた漫歩そぞろあるきの人通、行交ゆきちが
黒百合 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)