だま)” の例文
そしてガラスだまのような、ややかにひかでじっとそれをていましたが、やがて舌打したうちをして、いまいましそうにいいました。
消えた美しい不思議なにじ (新字新仮名) / 小川未明(著)
「嘘をけ、またはじめた。大方、お前が目の前で、しゃぼんだまのように、ぱっと消えてでもなくなったろう、不思議さな。」
草迷宮 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
「寒月というのは、あのガラスだまっている男かい。今の若さに気の毒な事だ。もう少し何かやる事がありそうなものだ」
吾輩は猫である (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
僕のポッケットの中からは、見る見るマーブルだま(今のビーだまのことです)や鉛のメンコなどと一緒に二つの絵具のかたまりが掴み出されてしまいました。
一房の葡萄 (新字新仮名) / 有島武郎(著)
特に軽快な引きだまなどのできるとできないは主としてこの手首の自由さに係わるように思われるのである。
「手首」の問題 (新字新仮名) / 寺田寅彦(著)
ゴムだまのやうに張つた女の乳房に「豊年だ。豊年だ」を唄ふことは到底詩人以外に出来るものではない。
これは特種の赤ペンキをタップリ含んでいるピンポンだまぐらいの小球しょうきゅうにして、叩きつけると、すぐ、壊れるものなり。携帯に便にして、ポケットに四つや五つ忍ばせても大丈夫なり。
発明小僧 (新字新仮名) / 海野十三佐野昌一(著)
象牙だまの腹部のうちら側に
頌歌 (新字旧仮名) / 富永太郎(著)
たまたまかみあいだからのないかおあらわれたかとおもうと、ガラスだまのようにひかったが、こおりのようにつめたくあたりをまわしていたのであります。
消えた美しい不思議なにじ (新字新仮名) / 小川未明(著)
しゃぼんだまではねえよ。真円まんまるな手毬の、影も、草に映ったでね。
草迷宮 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
「これは、また、なんということだ。」と、あねはいまいましそうに、ガラスだまのようなつめたいひからしてやみなかから、それらのおもしろそうにあそんでいるひとたちをにらみました。
消えた美しい不思議なにじ (新字新仮名) / 小川未明(著)