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沈黙
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だま
ふりがな文庫
“
沈黙
(
だま
)” の例文
旧字:
沈默
沈黙
(
だま
)
った女は花のようにやさしい匂いを遠くまで運んで来るものだ、
泪
(
なみだ
)
のにじんだ目をとじて、まぶしい燈火に私は顔をそむけた。
新版 放浪記
(新字新仮名)
/
林芙美子
(著)
(何故
沈黙
(
だま
)
っているのだろう? 何が行われているのだろう? ……栞はどうしているのだ? ……いや栞は何をされているのだろう?)
血曼陀羅紙帳武士
(新字新仮名)
/
国枝史郎
(著)
そう云ってしまうと、青年はさも最後の努力で使命を果した、と云った様子で、疲れて
沈黙
(
だま
)
ってしまった。
自殺を買う話
(新字新仮名)
/
橋本五郎
(著)
どこまでも自分の人生を語りつづけて行く貴方の声がききたいのです。
沈黙
(
だま
)
ってしまうようではいけません。いつでも自分の心を語れるようでなくては。生活に臆病にならないで。
わが師への書
(新字新仮名)
/
小山清
(著)
梶棒とつては、気が利ねど、
偶
(
てう
)
と半との、賽の目の、運が向いたら、一夜の隙に、お
絹布
(
かいこ
)
着せて、奥様に、劣らぬ
生活
(
くらし
)
させてみる。えお園さん、どうしたもの。
沈黙
(
だま
)
つてゐるは死にたいか。
したゆく水
(新字旧仮名)
/
清水紫琴
(著)
▼ もっと見る
沈黙
(
だま
)
つて居る間にも亦た言ふに言はれぬ愉快を感ずるのであつた。
破戒
(新字旧仮名)
/
島崎藤村
(著)
親父は
沈黙
(
だま
)
り込み
母へ
(新字新仮名)
/
長沢佑
(著)
沈黙
(
だま
)
って本を読んでいる私へ、光ちゃんが小さい声でこんな事を云った。誰もいないサロンの壁に、
薔薇
(
ばら
)
の黄いろい花がよくにおっていた。
新版 放浪記
(新字新仮名)
/
林芙美子
(著)
微塵覚えのない事に、あんなお詞戴いても、奥様なりやこそ
沈黙
(
だま
)
つてをれ。よしんば古参の、お前でも、朋輩衆に嬲られて、泣く程までの涙はない。退屈ざましの慰みなら、外を尋ねて下さんせ
したゆく水
(新字旧仮名)
/
清水紫琴
(著)
私は二枚ばかりの
単衣
(
ひとえ
)
を風呂敷に包むと、それを帯の上に背負って、それこそ
飄然
(
ひょうぜん
)
と、誰にも
沈黙
(
だま
)
って下宿を出てしまった。
新版 放浪記
(新字新仮名)
/
林芙美子
(著)
それも紳商の娘とか、申すならば格別と、人も
沈黙
(
だま
)
つておりますれど。
移民学園
(新字旧仮名)
/
清水紫琴
(著)
蒲団
(
ふとん
)
は一組で三枚、私はいつものように、読本を持ったまま、
沈黙
(
だま
)
って裾へはいって横になった。
風琴と魚の町
(新字新仮名)
/
林芙美子
(著)
沈黙
(
だま
)
って故郷へは送金しよう、——私はそう思って毎日与一の額の繃帯を巻いてやった。
清貧の書
(新字新仮名)
/
林芙美子
(著)
私達は
一緒
(
いっしょ
)
になって間もなかったし、多少の
遠慮
(
えんりょ
)
が私をたしなみ深くさせたのであろうか、その男の
白々
(
しらじら
)
とした物云いを、私はいつも
沈黙
(
だま
)
って、わざわざ報いるような事もしなかった。
清貧の書
(新字新仮名)
/
林芙美子
(著)
「
沈黙
(
だま
)
っとりゃ、六年生でも入れようたい、よう読めるとじゃもの……」
風琴と魚の町
(新字新仮名)
/
林芙美子
(著)
僕は
沈黙
(
だま
)
っていた。彼女がその着物をちぬ子の家から持って来てもはや十日あまりにもなるのだが、一心になって毎日こつこつ縫っている彼女に向って、何を僕が
咎
(
とが
)
めだてする事が出来るだろう。
魚の序文
(新字新仮名)
/
林芙美子
(著)
「これへ乗って行きゃア、東京まで、
沈黙
(
だま
)
っちょっても行けるんぞ」
風琴と魚の町
(新字新仮名)
/
林芙美子
(著)
与一は
沈黙
(
だま
)
って、
一生懸命
(
いっしょうけんめい
)
赤い鼻の先を
擦
(
こす
)
っていた。
清貧の書
(新字新仮名)
/
林芙美子
(著)
“沈黙”の意味
《名詞》
沈黙(ちんもく)
何も言わず、黙っていること。
(context、figuratively)音がないこと。
(context、figuratively)長い間活動がないこと。
(出典:Wiktionary)
沈
常用漢字
中学
部首:⽔
7画
黙
常用漢字
中学
部首:⿊
15画
“沈黙”で始まる語句
沈黙家
沈黙派
沈黙寡言