誘惑いざない)” の例文
そこへつけ込み私はじめ、姥殿にも範覚殿にも、手を分けて裏面から、誘惑いざないの腕ふるいましたら、宮様の御首級みしるし掻こうとする者、幾人か出るでござりましょう
あさひの鎧 (新字新仮名) / 国枝史郎(著)
四幕目、誘惑いざないの魔の岩屋にて、目くるめく遊仙窟の舞台、たへなる楽の音につれて現れ出し時、君は、明き灯の下に、あまた居並び、横りたる妖女の頭に立ち給ひき。
舞姫 (新字旧仮名) / 永井荷風(著)
明日あしたにも悪魔の誘惑いざないに負けるような事がありませぬうちに…………。
瓶詰地獄 (新字新仮名) / 夢野久作(著)