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舌鼓
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したつゞみ
ふりがな文庫
“
舌鼓
(
したつゞみ
)” の例文
と
舌鼓
(
したつゞみ
)
を打ちながら、私も仙吉も旨そうに片端から残らず喰べてしまったが、白酒と豆炒とは変に塩からい味がした。
少年
(新字新仮名)
/
谷崎潤一郎
(著)
與吉
(
よきち
)
は
一箸
(
ひとはし
)
嘗
(
な
)
めては
舌鼓
(
したつゞみ
)
を
打
(
う
)
つて
其
(
その
)
小
(
ちひ
)
さな
白
(
しろ
)
い
齒
(
は
)
を
出
(
だ
)
して、
頭
(
あたま
)
を
後
(
うしろ
)
へひつゝける
程
(
ほど
)
身
(
み
)
を
反
(
そ
)
らしておつぎの
顏
(
かほ
)
を
凝然
(
ぢつ
)
と
見
(
み
)
ては
甘
(
あま
)
えた
聲
(
こゑ
)
を
立
(
たて
)
て
笑
(
わら
)
ふのである。
土
(旧字旧仮名)
/
長塚節
(著)
先刻
(
さつき
)
の
肉汁
(
スウプ
)
は
匙
(
さじ
)
もつけないで残つてゐたので、代りに次の皿をおいて、前のはその儘下げて来た。そして料理部屋で
舌鼓
(
したつゞみ
)
を打ちながらこつそりそれを食べた。
茶話:05 大正八(一九一九)年
(新字旧仮名)
/
薄田泣菫
(著)
中硝子
(
なかがらす
)
の
障子
(
しやうじ
)
ごしに
中庭
(
なかには
)
の
松
(
まつ
)
の
姿
(
すがた
)
をかしと
見
(
み
)
し
絹布
(
けんぷ
)
の
四布蒲團
(
よのぶとん
)
すつぽりと
炬燵
(
こたつ
)
の
内
(
うち
)
あたゝかに、
美人
(
びじん
)
の
酌
(
しやく
)
の
舌鼓
(
したつゞみ
)
うつゝなく、
門
(
かど
)
を
走
(
はし
)
る
樽
(
たる
)
ひろひあれは
何處
(
いづこ
)
の
小僧
(
こそう
)
どん
雪中
(
せつちゆう
)
の
一
(
ひと
)
つ
景物
(
けいぶつ
)
おもしろし
別れ霜
(旧字旧仮名)
/
樋口一葉
(著)
大きな
舌鼓
(
したつゞみ
)
を一つ。
銭形平次捕物控:289 美しき人質
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
▼ もっと見る
また味加減をつけるにも、例の
口喧
(
くちやかま
)
しい伯の事とて
他
(
ひと
)
一
倍
(
ばい
)
講釈はするが、舌は正直なもので、何でも
鹹
(
しよ
)
つぱくさへして置けば恐悦して
舌鼓
(
したつゞみ
)
を打つてゐるといふ事だ。
茶話:02 大正五(一九一六)年
(新字旧仮名)
/
薄田泣菫
(著)
「ところが、妙なもので、その徳川氏自身がいつの間にかそんな料理に
舌鼓
(
したつゞみ
)
を打つやうになつたものですから、段々精力が衰へてとうと自滅するやうな運命になりました。」
茶話:04 大正七(一九一八)年
(新字旧仮名)
/
薄田泣菫
(著)
郵船会社の倫敦支店長根岸氏は、その日以来、毎日のやうに豆腐に
舌鼓
(
したつゞみ
)
を打つにつけて、風谷と同じやうに、何とかして英国人にこの珍味が
味
(
あぢは
)
はせたくなつて溜らなかつた。
茶話:04 大正七(一九一八)年
(新字旧仮名)
/
薄田泣菫
(著)
何処の
画家
(
ゑかき
)
でも
墨汁
(
すみ
)
の使ひ残しに難渋するもので、幾ら忠実だからと言つて、
女房
(
かない
)
にそれを食べさす訳にも
往
(
ゆ
)
かないが、豆猿は好物だけに
舌鼓
(
したつゞみ
)
を打つてぺろりとそれを嘗め尽してしまふ。
茶話:02 大正五(一九一六)年
(新字旧仮名)
/
薄田泣菫
(著)
と
舌鼓
(
したつゞみ
)
を打ちながら、幾杯も
立続
(
たてつゞ
)
けにそれを
煽飲
(
あふ
)
りつける。
茶話:03 大正六(一九一七)年
(新字旧仮名)
/
薄田泣菫
(著)
上人は
舌鼓
(
したつゞみ
)
を打ちながら濃茶を飲んだ。
茶話:04 大正七(一九一八)年
(新字旧仮名)
/
薄田泣菫
(著)
“舌鼓”の解説
名菓舌鼓(めいかしたつづみ)は山口県山口市の山陰堂で作られている菓子(和菓子)である。ういろうと共に、山口市を代表する土産菓子である。
(出典:Wikipedia)
舌
常用漢字
小6
部首:⾆
6画
鼓
常用漢字
中学
部首:⿎
13画
“舌”で始まる語句
舌
舌打
舌鋒
舌切雀
舌頭
舌舐
舌端
舌皷
舌長
舌嘗