“一箸”の読み方と例文
読み方割合
ひとはし100.0%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
與吉よきち一箸ひとはしめては舌鼓したつゞみつてそのちひさなしろして、あたまうしろへひつゝけるほどらしておつぎのかほ凝然ぢつてはあまえたこゑたてわらふのである。
(旧字旧仮名) / 長塚節(著)
と、感じるらしく、また、中村の貧農時代を、必然、思い出すらしく、一箸ひとはしの汁の菜、一片の田楽焼の茄子にも、心をあらためて、賞味するのがつねであった。
新書太閤記:05 第五分冊 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
取ってみたがふたを取って匂いをかいだばかりで食道はぴったりふさがり一箸ひとはしも口へもって行くことができなかったのを思い出したからで、寝ついてからはずっと食慾がなかった。
縮図 (新字新仮名) / 徳田秋声(著)