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盃盞
掛け
頓て一座と成て
酒宴の
中後家に心有り
氣なる
面白可笑き
盃盞ことに後家のお勇も
如才なき
人物故重四郎が樣子を
熟々見るに年はまだ三十歳を
指るゝな立派な出世致すべし
斯てこそ予に
對し
忠義なるぞと申聞られ
一人々々に
盃盞を下され夫より夜の
明るを
待ける此時越前守の
奧方には奧御用人を
致し江戸表へ參り
親子對面する上は是迄の
舊惡は殘らず
赦し
遣すべしとの言葉に大膳は有難く
拜伏し茲に
主從の約をなし左京をも
進めて
此も主家來の
盃盞を