“さし”のいろいろな漢字の書き方と例文
カタカナ:サシ
語句割合
26.9%
13.5%
8.7%
7.7%
6.7%
4.8%
3.8%
砂嘴3.8%
密告1.9%
対酌1.9%
左氏1.9%
1.0%
1.0%
1.0%
1.0%
二人1.0%
些子1.0%
刀尺1.0%
尺度1.0%
左思1.0%
1.0%
1.0%
1.0%
1.0%
1.0%
沙市1.0%
渣滓1.0%
相対1.0%
釵子1.0%
鎖子1.0%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
『僕もよひめかゝつて寒くなつて来た。しづちやんさへさしつかへ無けれアかどの西洋料理へ上がつてゆつくり話しませう。』
節操 (新字旧仮名) / 国木田独歩(著)
そこで米友はさしを取って、穴あき銭をそれに差込んでいると、暫くあってお雪ちゃんがその手を抑えるようにして
大菩薩峠:36 新月の巻 (新字新仮名) / 中里介山(著)
持て我が寢所ねどころへ來りし故怪敷あやしくおも片蔭かたかげかくれてうかゝひしに夜着よぎの上より我をさし候樣子に付き取押とりおさへて繩をかけしなり此儀このぎ公邊おかみうつたへ此者を吟味ぎんみ致さんと云ひけるを
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
取て夫婦二人を無理むりに一つ駕籠にのせ是でよしとて半四郎はむか鉢卷はちまき片肌かたはだぎ何の苦もなく引擔ひつかつぎすた/\道をかけながら酒屋をさして急ぎけり
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
猟師れふしこれを見れば雪を掘て穴をあらはし、木のえだしばのるゐを穴にさし入れば熊これをかきとりて穴に入るゝ、かくする事しば/\なれば穴つまりて熊穴の口にいづる時槍にかくる。
かれはそれでも煙管きせるして隙間すきまから掛金かけがねをぐつといたらせんさしてなかつたのですぐはづれた。かれくらしきゐまたいでたもと燐寸マツチをすつとけた。
(旧字旧仮名) / 長塚節(著)
そして糸を切って、さしを出して一緒に丈をはかりなどした。
(新字新仮名) / 徳田秋声(著)
夜の十時ころだろうか、堀が海へ出るところは浅瀬で、左右の岸が、退き始めた汐の中で二条の砂嘴さしをなしている。
青べか物語 (新字新仮名) / 山本周五郎(著)
万一密告さしあしめえかと思うと、心配になって来ましたから、今度は自動電話をかけて待っているように命じて引返し、十分に様子を探ってから堂々と玄関の締りを外させ
二重心臓 (新字新仮名) / 夢野久作(著)
親方の不在るすにこう爛酔へべでは済みませぬ、姉御と対酌さしでは夕暮をおどるようになってもなりませんからな、アハハむやみに嬉しくなって来ました、もう行きましょう、はめをはずすと親方のお眼玉だ
五重塔 (新字新仮名) / 幸田露伴(著)
左氏さし鄢陵えんりょうたたかいを記するに当ってもまず敵の陣勢から述べている。古来から叙述に巧みなるものは皆この筆法を用いるのが通則になっている。だによって吾輩が蜂の陣立てを話すのも仔細しさいなかろう。
吾輩は猫である (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
ふくみ何にもないが一ツ飮ふと戸棚とだなより取出す世帶せたいの貧乏徳利干上ひあがる財布のしま干物さしおさへつ三人が遠慮ゑんりよもなしに呑掛のみかけたりお安は娘に逢度さを
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
得たれば久々ひさ/″\にて一ぱいのまふと或料理屋あるれうりや立入たちいり九郎兵衞惣内夫婦三人車座くるまざになりさしおさへ數刻すうこく酌交くみかはせしがやゝ戌刻過いつゝすぎやうやく此家を
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
お前がさしをぽんと投付けていやだと云ったので、何うも堅い娘だ、感心だ、あんな女を女房にょうぼに貰わないではおれが一旦口を出したのが恥だから
敵討札所の霊験 (新字新仮名) / 三遊亭円朝(著)
傳「さしなんぞは何でも無い、此の前張倒されてどぶへ落ちた人も有るそうでねえ、斯うなさい、娘を何うかして、そーッと他処わきへ連れて行こう」
敵討札所の霊験 (新字新仮名) / 三遊亭円朝(著)
せぬかと申に彼町人は得たりかしこしと夫は有難し直樣すぐさま御間おあひ仕つらんと是より後藤のそばよりさしさゝれ飮合のみあひいが其好む所にへきすとの如く後藤半四郎は自分が酒好さけずきゆゑつひに此男と合口となりて忽ち互ひに打解うちとけつゝ四方八方よもやまの物語りを
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
なしければ清兵衞は弟に向ひ長兵衞是は我等が女房なり以後心安こゝろやすく頼む又遇々たま/\來りしに兄嫁あによめなどと思ひ遠慮ゑんりよしては面白おもしろからずひらに心安くなし呉よもしともしゆ遠慮ゑんりよがあつてはわるい心安く御頼おたのみ申と兄弟中の水入みづいらずさしおさへつやゝしば酒宴しゆえんにこそは及びけれ
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
それはどうかしらん——彼女もまた一枚の子供用の真赤な瓦斯織がすおり単衣物ひとえものを買ったが、まだちょっと手を通したばかりの物がたった三百大銭だいせんの九二さしであった。
阿Q正伝 (新字新仮名) / 魯迅(著)
二人さしの方が好ましい、他人は出しゃばらないでくれ、というやつですな。ラズーミヒン君のは見当ちがいだし、それに門外漢ですよ。
塵心じんしん 消尽しょうじんして 些子さしも無し
運命 (新字新仮名) / 幸田露伴(著)
りにりて虫喰栗むしくひぐりにはおほかり、くずにうづもるゝ美玉びぎよくまたなからずや、あわれこのねが許容きよようありて、彼女かれ素性すじやうさだたまはりたし、まがりし刀尺さしすぐなるものはかりがた
たま襻 (旧字旧仮名) / 樋口一葉(著)
これもやはり大きな人は損をする訳で我々ごとき者が買いに行くと損です。そういう物を買いに行く場合には大きな人を雇って、そうしてむこうで尺度さしを取らして買うと大変得をする。
チベット旅行記 (新字新仮名) / 河口慧海(著)
「昔、しん左思さしが作った三都さんとの賦は十年してできあがりました。文章は巧みなのをとうとんで、速いのを貴びません。」
織成 (新字新仮名) / 蒲 松齢(著)
大忙おおいそぎで下女に布を持ち来らしめ、さしに掛かろうとすると、不思議や小便たちまち催して、忍ぶべうもあらず、これはたまらぬ布がぬれると、庭へ飛び下りて身をかがむる、この時遅くかの時早く
またいわく小屋に小馬を入れ戸をとざして内に横扃よこさし外に懸金かけがねをさし置くにいつも小馬が戸外に出居るを不思議と主人がうかがうに小馬まず自らさしを抜き嘶くと
この男はる徳川家の藩医の子であるから、親の拝領したあおい紋付もんつきを着て、頭は塾中流行の半髪で太刀作たちづくりの刀をさしてると云う風だから、如何いかにも見栄みえがあって立派な男であるが
福翁自伝:02 福翁自伝 (新字新仮名) / 福沢諭吉(著)
「其の地でチッキをさし出した婦人の人相に当て填まるものは」フォニックスの係員は続けて
アリゾナの女虎 (新字新仮名) / 牧逸馬(著)
面疱にきびだらけの女中ねえさんが燐寸マツチつてけて、さしぼやをさすと、フツとしたばかり、まだのついたまゝのもえさしを、ポンとはすつかひにげた——
春着 (旧字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
「凶血が煙っています。おそらく同士打ちを起しているのでしょう。しかし、入るべからずです。道をかえて江陵こうりょう(湖北省・沙市さし揚子江ようすこう岸)へ行きましょう」
三国志:07 赤壁の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
あはれ、本覺大悟の智慧の火よ、我が胸に尚ほ蛇の如くまつはれる一切煩惱を渣滓さしも殘らず燒き盡せよかし。
滝口入道 (旧字旧仮名) / 高山樗牛(著)
梯子エスカーダ・デ・モン」とは、いわゆる相対さしの遊び方である。しかしそれは、賭博場キヤジノなどでやるものではなく、もちろんその婦人なども知っているものであった。
人外魔境:05 水棲人 (新字新仮名) / 小栗虫太郎(著)
柳、桜、山吹、紅梅、萌黄もえぎなどのうちぎ唐衣からぎぬなどから、鏡台のあたりには、釵子さし、紅、白粉など、撩乱りょうらんの様であった。
源頼朝 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
彼が藕糸歩雲ぐうしほうんくつ穿鎖子さし黄金のよろいを着け、東海竜王とうかいりゅうおうから奪った一万三千五百きん如意金箍棒にょいきんそうぼうふるって闘うところ、天上にも天下にもこれに敵する者がないのである。