“唐衣”のいろいろな読み方と例文
読み方割合
からぎぬ68.8%
からごろも31.3%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
意匠を凝らせた贈り物などする場合でなかったから、故人の形見ということにして、唐衣からぎぬ一揃ひとそろえに、髪上げの用具のはいった箱を添えて贈った。
源氏物語:01 桐壺 (新字新仮名) / 紫式部(著)
その翌年十一月二十二日に臨終正念にして端座合掌の往生をとげられたというが、その往生際は、唐衣からぎぬを着て、袈裟けさをかけて西の方に阿弥陀仏を掛け
法然行伝 (新字新仮名) / 中里介山(著)
五つぎぬ上衣うわぎ青海波せいがいはに色鳥の美しい彩色つくりえを置いたのを着て、又その上には薄萌黄うすもえぎ地に濃緑こみどりの玉藻をぬい出した唐衣からごろもをかさねていた。
玉藻の前 (新字新仮名) / 岡本綺堂(著)
「いい歌だね。それに似たようなのが内地にもあるよ……野辺にいでて、そぼちにけりな唐衣からごろも、きつつわけゆく、花の雫に。それはそうと、きょうはひどくご機嫌だね」
骨仏 (新字新仮名) / 久生十蘭(著)