トップ
>
唐衣
>
からごろも
ふりがな文庫
“
唐衣
(
からごろも
)” の例文
五つ
衣
(
ぎぬ
)
の
上衣
(
うわぎ
)
は
青海波
(
せいがいは
)
に色鳥の美しい
彩色
(
つくりえ
)
を置いたのを着て、又その上には
薄萌黄
(
うすもえぎ
)
地に
濃緑
(
こみどり
)
の玉藻をぬい出した
唐衣
(
からごろも
)
をかさねていた。
玉藻の前
(新字新仮名)
/
岡本綺堂
(著)
「いい歌だね。それに似たようなのが内地にもあるよ……野辺にいでて、そぼちにけりな
唐衣
(
からごろも
)
、きつつわけゆく、花の雫に。それはそうと、きょうはひどくご機嫌だね」
骨仏
(新字新仮名)
/
久生十蘭
(著)
血る潔く清き身に、
唐衣
(
からごろも
)
を着け、袴を
穿
(
は
)
くと、しらしらと早や
旭
(
あさひ
)
の影が、霧を破って色を映す。
南地心中
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
「聞いたような名だがどこが珍しい」——「〽泉嘉門の珍しさは、なんにたとえん
唐衣
(
からごろも
)
、錦の心を持ちながらも、
襤褸
(
つづれ
)
に劣る身ぞと、人目に見ゆる情けなや、ころは
神無月
(
かんなづき
)
の夜なりしが、酒を ...
娘煙術師
(新字新仮名)
/
国枝史郎
(著)
唐衣
(
からごろも
)
君が心のつらければ
袂
(
たもと
)
はかくぞそぼちつつのみ
源氏物語:06 末摘花
(新字新仮名)
/
紫式部
(著)
▼ もっと見る
そうして、ひとりの
艶
(
あで
)
やかな
上臈
(
じょうろう
)
の立ち姿がまぼろしのように浮き出て来た。柳の五つ
衣
(
ぎぬ
)
にくれないの袴をはいて、
唐衣
(
からごろも
)
をかさねた彼女の姿は、見おぼえのある玉藻であった。
玉藻の前
(新字新仮名)
/
岡本綺堂
(著)
“唐衣”の解説
唐衣(からぎぬ)は、女房装束を構成する上衣の一つ。詳細は後述。
唐衣(からころも)は、和歌において「着る」などにかかる枕詞。在原業平の代表的な歌でよく知られている。
唐衣(からごろも)は、箏曲の曲名。幕末の万延、文久頃、名古屋、京都で活躍した盲人音楽家吉沢検校が作曲した。『初瀬川』『山桜』『新雪月花』と共に、「新古今組」の一曲。新古今和歌集から唐衣の歌を採り、吉沢自身が考案した「新古今調子」という新たな箏の調弦法によって作曲されている。当時の複雑煩瑣に発達した音楽から、復古的な簡潔美を求めて作られた。
唐衣(タンイ、당의)は、中国から朝鮮に伝来した礼服。女性が身に着けた。
(出典:Wikipedia)
唐
常用漢字
中学
部首:⼝
10画
衣
常用漢字
小4
部首:⾐
6画
“唐衣”で始まる語句
唐衣橘洲