“薄萌黄”の読み方と例文
読み方割合
うすもえぎ100.0%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
五つぎぬ上衣うわぎ青海波せいがいはに色鳥の美しい彩色つくりえを置いたのを着て、又その上には薄萌黄うすもえぎ地に濃緑こみどりの玉藻をぬい出した唐衣からごろもをかさねていた。
玉藻の前 (新字新仮名) / 岡本綺堂(著)
馬の沓形くつがたの畠やや中窪なかくぼなのが一面、青麦に菜を添え、紫雲英をくろに敷いている。……真向うは、この辺一帯に赤土山のげた中に、ひとり薄萌黄うすもえぎに包まれた、土佐絵に似た峰である。
瓜の涙 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
陸奥みちのく信夫摺しのぶずりのような模様を白く染め出した薄萌黄うすもえぎ地の小振袖を着て、やはり素足に藁草履をはいていたというだけを、しるすにとどめて置きたい。
玉藻の前 (新字新仮名) / 岡本綺堂(著)