“からぎぬ”の漢字の書き方と例文
語句割合
唐衣100.0%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
刑台に据えられた花世の着ている浮線織赤色唐衣からぎぬは、最後の日のためにわざわざ織らせたのだというが、舞いたつような色目いろめのなかにも、十六歳の少女の心の乱れが
無月物語 (新字新仮名) / 久生十蘭(著)
あの煙にむせんで仰向あふむけた顔の白さ、焔をはらつてふり乱れた髪の長さ、それから又見る間に火と変つて行く、桜の唐衣からぎぬの美しさ、——何と云ふむごたらしい景色でございましたらう。
地獄変 (新字旧仮名) / 芥川竜之介(著)
こんなことをかおるは言いながらへやの中を見ると、唐衣からぎぬは肩からはずして横へ押しやり、くつろいだふうになって手習いなどを今までしていた人たちらしい。
源氏物語:54 蜻蛉 (新字新仮名) / 紫式部(著)