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さし
含み何にも
無が一ツ飮ふと
戸棚より取出す
世帶の貧乏徳利
干上る財布のしま干物
獻つ
押へつ三人が
遠慮もなしに
呑掛たりお安は娘に逢度さを
得たれば
久々にて一
杯飮ふと
或料理屋に
立入九郎兵衞惣内夫婦三人
車座になり
獻つ
酬つ
數刻酌交せしが
良夜も
戌刻過漸く此家を
取直して
快よく
獻つ
酬れつ
飮居たりしが何時しか日さへ
暮果て兩人共
睡眠の氣ざし
肱を
枕にとろ/\と
睡むともなしに
寢入しが早三
更の
頃靱負は
不※起上り其のまゝ爰を