“密告”のいろいろな読み方と例文
読み方割合
さし16.7%
みっこく16.7%
サシ16.7%
つげぐち16.7%
サス8.3%
ささや8.3%
つげくち8.3%
なげこみ8.3%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
そのドサクサに紛れて皇帝を攫って行ったという密告さしを幸田から貰い、飛ぶように駆け戻って来たのである。
魔都 (新字新仮名) / 久生十蘭(著)
その妖異よういなすがたをした者こそ、伊那丸いなまる通過つうか密告みっこくして、またうまうまと徳川家とくがわけのふところにろうとして、ねこをかぶっている和田呂宋兵衛わだるそんべえである。
神州天馬侠 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
「なんといったって、ほんとは久我が殺ったんじゃないでしょう。だから、久我を密告サシて苦しめることだけはかんべんしてちょうだい……それを、お願いに来たのよ」
金狼 (新字新仮名) / 久生十蘭(著)
おいらが垣根を登ったなんて密告つげぐちをした奴は煙草屋のおちゃっぴいだ。おいらをぶん撲って縛った奴は自身番の耄碌おやじだ。
半七捕物帳:06 半鐘の怪 (新字新仮名) / 岡本綺堂(著)
密告サスつもりなんだな。……まるで縁日の詰将棋だ。あの手でいけなきゃこの手か。……おいおい、頼んどくが小生だけは助けてくれよ
金狼 (新字新仮名) / 久生十蘭(著)
これこれと出羽は声を更に一段とひそめて、源之丞の耳近くに密告ささやいた。
備前天一坊 (新字新仮名) / 江見水蔭(著)
「誰が密告つげくちしたか解りませんが。——お寺から、葬ひを斷つて參りました」
ちょっとした密告なげこみがありましたンで、捨てもおけず、こうやって詮議の真似事をいたしましたが、よく筋が通りましたから、これで引きとることにいたします。
顎十郎捕物帳:20 金鳳釵 (新字新仮名) / 久生十蘭(著)