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面疱
面疱だらけの
女中さんが
燐寸を
摺つて
點けて、
插ぼやをさすと、フツと
消したばかり、まだ
火のついたまゝの
燃さしを、ポンと
斜つかひに
投げた——
「
串戯じゃない、片田舎の
面疱だらけの
心得違の教員なぞじゃあるまいし、女の弟子を。失礼だ。」
本文に
謂つて
曰く、
蓬髮歴齒睇鼻深目、お
互に
熟字でだけお
知己の、
沈魚落雁閉月羞花の
裏を
行つて、これぢや
縮毛の
亂杭齒、
鼻ひしやげの、どんぐり
目で、
面疱が
一面、いや、
其の
色の
黒い
事