“袿”のいろいろな読み方と例文
読み方割合
うちぎ70.3%
うちかけ10.8%
うちき8.1%
かけ5.4%
うちぎしわ2.7%
しかけ2.7%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
炎に似た夢は、袈裟の睫毛まつげをふさがせ、閉じたるくちを、舌もてあけ、うちぎのみだれから白いはぎや、あらわなのふくらみを見たりする。
勿論土地の売れったちは総縫そうぬいの振袖や、うちかけを着た、腰元や奥女中に、他の土地の盛り場のおんなたちと交っていたので、その通行のおりには大変な人気であった。
一世お鯉 (新字新仮名) / 長谷川時雨(著)
女は、几帳の上からやにわにいちばん大きなノミを取ると、人形の頭に突き立て、うちきの袖を振ってこんかぎりの力でそれを打った。
(新字新仮名) / 山川方夫(著)
「おかけは召ていないが、お振袖で、曙染あけぼのぞめで、それはそれは奇麗ですよ、お前さんに見せたいね。ほんと! 桜の花よりものいう花がきれいさ。」
ことしの正月はうちぎしわをつけた筒井は、もう土地がかり官人の家の仕えの女であるよりも、娘子を見るような品の高いものであった。
津の国人 (新字新仮名) / 室生犀星(著)
花魁おいらんしかけにも客の小袖にも。新流行の奔放な色と模様とがあつた。店清掻みせすががきの賑かさ、河東、薗八のしめやかさ。これを今日の吉原に見る事は出来ぬ。
浅草風土記 (新字新仮名) / 久保田万太郎(著)