“うちき”のいろいろな漢字の書き方と例文
語句割合
内気42.5%
打切15.0%
内氣10.0%
打斬7.5%
7.5%
打着5.0%
鬱気5.0%
内木2.5%
射切2.5%
打聞2.5%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
もとは極々ごくごく内気うちきの優しいかたが、この頃ではだいぶ気が荒くなって、何だか心配だと源兵衛が来るたびに申します。……
草枕 (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
今朝の夜明けに初めての空襲があって、駅も少しばかりの被害を受けた。とにかく汽車は此処ここ打切うちきるから、次の盛岡始発の列車に乗れという話である。
I駅の一夜 (新字新仮名) / 中谷宇吉郎(著)
もつとそれまでにも、小當こあたりにあたることは、板屋いたやはし團栗どんぐりことならずで、蜘蛛くもごと袖褄そでつまいてたのを、やなぎかぜけつながしつ、擦拔すりぬけるせてところ義理ぎりあるおとうと内氣うちきをんな
一席話 (旧字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
三尺さんじゃくを腰低く前にて結びたるあそにんらしき男一人、両手は打斬うちきられし如く両袖を落して、少し仰向あおむき加減に大きく口を明きたるは、春の朧夜おぼろよ我物顔わがものがお咽喉のど一杯の声張上げて投節なげぶし歌ひ行くなるべし。
江戸芸術論 (新字新仮名) / 永井荷風(著)
金銀の織り出しや刺繍のあるうちきの類もよく似合うが、濃い緑色や柿色の素襖、水干、狩衣の類、白無地の小袖、大口等も実によく似合う。
陰翳礼讃 (新字新仮名) / 谷崎潤一郎(著)
遠慮ゑんりよをされるとくゝるほどに何事なにごとだまつて年上としうへこともの奧樣おくさますつとお羽織はをりをぬぎて、千葉ちば背後うしろより打着うちきたまふに、人肌ひとはだのぬくみ氣味きみわるく、麝香じやこうのかをり滿身まんしんおそひて
われから (旧字旧仮名) / 樋口一葉(著)
摂州せっしゅう萱野村へ帰郷している三平からは、その後、同志への音沙汰がふッつり絶えていた。おとなしい鬱気うちきな青年ではあるが、情熱家だった。
新編忠臣蔵 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
数日前に偶然にも懇意になったM警察署の内木うちき司法主任から、不思議な殺人事件の急電を受けて冷い旅舎に真夜中過ぎの夢を破られた青山喬介と私は
気狂い機関車 (新字新仮名) / 大阪圭吉(著)
錠前を射切うちきって、その片袖を——同棲三年間——まだ純真なる処女の身にして、私のために取返すんです。袖が返るとともに、あらためて結婚します。夫婦になります。
唄立山心中一曲 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
なしあやまつて斯樣の時宜に立至りたる事なれば久八に害心がいしんなきはもとよりの儀に御座候依て私しより助命じよめい只管ひたすらねがひ上奉つり候と申立ければ越前守殿悉皆こと/″\打聞うちきかれ如何に其方久八が助命の儀を
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)