“投節”の読み方と例文
読み方割合
なげぶし100.0%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
やかましい国侍くにざむらいども、殺風景さっぷうけいな歌ばかり歌いおるわ……そもそも、島原の投節なげぶし、新町のまがき節、江戸の継節つぎぶし、これを三都の三名物という。
遊女に今紫があれば芸妓に芳町よしちょう米八よねはちがあった。後に千歳米坡と名乗って舞台にも出れば、寄席よせにも出て投節なげぶしなどを唄っていた。彼女はじきに乱髪らんぱつになる癖があった。
明治美人伝 (新字新仮名) / 長谷川時雨(著)
三尺さんじゃくを腰低く前にて結びたるあそにんらしき男一人、両手は打斬うちきられし如く両袖を落して、少し仰向あおむき加減に大きく口を明きたるは、春の朧夜おぼろよ我物顔わがものがお咽喉のど一杯の声張上げて投節なげぶし歌ひ行くなるべし。
江戸芸術論 (新字新仮名) / 永井荷風(著)