“投遣”のいろいろな読み方と例文
読み方割合
なげや68.2%
なげやり31.8%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
岸辺の茶屋の、それならぬ、渚の松の舫船もやいぶね。——六蔵は投遣なげやりに振った笠を手許てもとに引いて、屈腰かがみごしに前を透かすと、つい目の前に船首みよしが見える。
浮舟 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
蒲田は物をも言はずくだんの手形を二つに引裂き、遊佐も風早もこれはと見る間に、なほも引裂き引裂き、引捩ひきねぢりて間が目先に投遣なげやりたり。彼は騒げる色も無く
金色夜叉 (新字旧仮名) / 尾崎紅葉(著)
いえば、投遣なげやりな、大ざっぱな、ぶッきら棒なその仲間たちのあいだを縫って、はつらつと、若鮎のようにかれは閃いた。
春泥 (新字新仮名) / 久保田万太郎(著)
何アに大丈夫だ、人の娘を預って監督せずに投遣なげやりにしてはおかれん。男がこの東京に来て一緒に歩いたり何かしているのを見ぬ振をしてはおかれん。
蒲団 (新字新仮名) / 田山花袋(著)