“屈腰”の読み方と例文
読み方割合
かがみごし100.0%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
岸辺の茶屋の、それならぬ、渚の松の舫船もやいぶね。——六蔵は投遣なげやりに振った笠を手許てもとに引いて、屈腰かがみごしに前を透かすと、つい目の前に船首みよしが見える。
浮舟 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
わしさ屈腰かがみごしで、膝はだかって、つらを突出す。奴等やつら三方からかぶさりかかって、棒を突挿そうとしたと思わっせえまし。
縷紅新草 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
しばらくすると、薄墨をもう一刷ひとはけした、水田みずたの際を、おっかな吃驚びっくり、といった形で、漁夫りょうしらが屈腰かがみごしに引返した。手ぶらで、その手つきは、大石投魚を取返しそうな構えでない。
貝の穴に河童の居る事 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)