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尤
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ゆう
ふりがな文庫
“
尤
(
ゆう
)” の例文
歴史のタチバナは百果の
尤
(
ゆう
)
なるものと称えられて誰れも異論が無かったゆえに、これをモデルにその功労を思召して橘姓も賜わったのだ。
植物記
(新字新仮名)
/
牧野富太郎
(著)
九度山
(
くどやま
)
の真田幸村などは、その
尤
(
ゆう
)
なるものであろう。幸村へは平時においても、大坂城の秀頼から、
尠
(
すくな
)
からぬ金力が密かに送られていたという。
随筆 宮本武蔵
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
近時発表された怪談劇の
尤
(
ゆう
)
なるものであるが、最後に小平次の姿を見せた方が好いか悪いかは種々の議論のある処で、あの合理不合理とを別問題として
怪談劇
(新字新仮名)
/
岡本綺堂
(著)
赤線区域のオトクイ先の
尤
(
ゆう
)
なるものはアチラの兵隊サンと近ごろの相場はきまっている。戦争あってのパンパン稼業に再軍備反対をぶッても仕様がなかろう。
選挙殺人事件
(新字新仮名)
/
坂口安吾
(著)
金大用
(
きんたいよう
)
は
中州
(
ちゅうしゅう
)
の旧家の子であった。
尤
(
ゆう
)
太守の
女
(
むすめ
)
で幼な名を
庚娘
(
こうじょう
)
というのを夫人に迎えたが、
綺麗
(
きれい
)
なうえに賢明であったから、夫婦の間もいたってむつましかった。
庚娘
(新字新仮名)
/
蒲 松齢
(著)
▼ もっと見る
実践的という言葉はいろいろの意味をもっているが、選挙運動なるものは、その
尤
(
ゆう
)
なるものである。
実践について:――馬になった話――
(新字新仮名)
/
中井正一
(著)
ラフマニノフは
夥
(
おびただ
)
しい前奏曲を書いているが、この嬰ハ短調の悲劇的な前奏曲は、最も傑出し、かつ有名になっている。恐らく自作自演レコードの
尤
(
ゆう
)
なるものであろう。
名曲決定盤
(新字新仮名)
/
野村胡堂
、
野村あらえびす
、
野村長一
(著)
鼎炉銚碗
(
ていろちょうわん
)
ハ古キモマタ可ナリ新シキモマタ可ナリ。
惟
(
これ
)
ソノ有スル所、イヤシクモ
尤
(
ゆう
)
ヲ誇リ奇ヲ
闘
(
たたかわ
)
スノ意アレバ器物ニ役セラル。茶博士ニ陥ルニ非ザレバ必
骨董
(
こっとう
)
者流ニ陥ラン。
下谷叢話
(新字新仮名)
/
永井荷風
(著)
〈およそ女子の美を称うるは顔色を言う、すなわち艶はその光なり、美の
尤
(
ゆう
)
なるは、必ず光気ありて人を動かす、三字ついに後世美人を賦して
俑
(
よう
)
と為す〉とあれば飛び切りの代物だ。
十二支考:07 猴に関する伝説
(新字新仮名)
/
南方熊楠
(著)
さらに新人の
尤
(
ゆう
)
なるものは、道昭、智通、
定慧
(
じょうえ
)
などの僧侶である。道昭は古い帰化人の
裔
(
すえ
)
であり、定慧は
鎌足
(
かまたり
)
の子であるが、共に唐に入って
玄弉三蔵
(
げんじょうさんぞう
)
に学び、当時の世界文化の絶頂をきわめて来た。
古寺巡礼
(新字新仮名)
/
和辻哲郎
(著)
南堂伯爵未亡人は、その
尤
(
ゆう
)
なる者であった。
けむりを吐かぬ煙突
(新字新仮名)
/
夢野久作
(著)
老公は由来、幕府から
忌
(
い
)
まれておいでになる。老公の
御事業
(
おんじぎょう
)
は、反幕的の
尤
(
ゆう
)
なるものと、幕府の学者はみな口をそろえて、将軍家へ
讒
(
ざん
)
している。
梅里先生行状記
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
およそ官能的な音楽の
尤
(
ゆう
)
なるもののように思われがちであるが、実際の音楽は、雄大瑰麗を極めているにしても、決して後世のある種の音楽のごとく、官能的に流れ過ぎるようなことはない。
名曲決定盤
(新字新仮名)
/
野村胡堂
、
野村あらえびす
、
野村長一
(著)
そしてこの
稀有
(
けう
)
な出来事を、一生のうちでも
忌
(
いま
)
わしい見聞の
尤
(
ゆう
)
なるものとして、みな少しも早く記憶から消し去ろうとするものの如くであった。
新書太閤記:06 第六分冊
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
プランソン、ジュールネ、ヴァンニ=マルクー、ムラトール、カルヴェ、ヴァラン、——などは
尤
(
ゆう
)
なるものだが、わけても我らに取って、興味の深いのは、エドモン・クレーマンの存在である。
名曲決定盤
(新字新仮名)
/
野村胡堂
、
野村あらえびす
、
野村長一
(著)
小次郎の父、良持などは、それの主人として、坂東八州のうちでも、
尤
(
ゆう
)
なる者のひとりだった。
平の将門
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
だからここを主力とも、功名の主戦場とも見ず、
尤
(
ゆう
)
なるものは、まず笠置の陣へむかっていた。
私本太平記:04 帝獄帖
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
その私情こそ
尤
(
ゆう
)
なる罪であって、馬謖の犯した罪はむしろそれより軽い。けれど、惜しむべきほどな者なればこそ、なお断じて斬らなければならぬ。……まだ斬らんのか。何をしておる。早く、首を
三国志:11 五丈原の巻
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
その
尤
(
ゆう
)
なる一例であったということができる。
三国志:09 図南の巻
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
“尤”の解説
尤(ゆう)は漢姓の一つ。『百家姓』の19番目の姓である。中国の福建省と台湾に多い。2020年の中華人民共和国の統計では人数順の上位100姓に入っていないが、台湾の2018年の統計では85番目に多い姓で、32,176人がいる。
現在の多くは王審知が閩の王となった時、閩国内の「沈」姓が同音の「審」を忌避するために改姓したものだと見られる。
(出典:Wikipedia)
尤
漢検準1級
部首:⼪
4画
“尤”を含む語句
尤物
御尤
尤至極
見尤
不尤
尤之次第
尤千万
尤様
尤異
御尤様
御無理御尤
罪尤
至極尤
蚩尤