“尤:もっと” の例文
“尤:もっと”を含む作品の著者(上位)作品数
野村胡堂51
海野十三43
中里介山23
夏目漱石21
夢野久作21
“尤:もっと”を含む作品のジャンル比率
文学 > 日本文学 > 小説 物語10.4%
文学 > 日本文学 > 日本文学9.0%
文学 > 日本文学 > 日記 書簡 紀行3.3%
(注)比率=対象の語句にふりがなが振られている作品数÷各ジャンルの合計の作品数
320x100
もっとも私は親が生んだので、親はまたその親が生んだのですから、私は唯一人でぽつりと木のまたから生れた訳ではない。
無題 (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
目科は外の品よりも是等これらの瓶にもっとも其眼を注ぎ殊に其瓶の口を仔細にあらたむる様子なれば余は初て合点行けり
血の文字 (新字新仮名) / 黒岩涙香(著)
もっとも此支那料理、西洋料理も或る食通と云う人のように、何屋の何で無くてはならぬと云う程に、味覚が発達しては居ない。
もっともな疑問ですが、たとえ間謀である疑いが十分であっても、これと云う確かな証拠がなければ、どうする事も出来ません。
計略二重戦:少年密偵 (新字新仮名) / 甲賀三郎(著)
「金茶、もっともなこっちゃぞい――宮本武蔵は強くないさかい。第一、ありゃ利口者やて、名ある人とは試合を避けたんやな」
大菩薩峠:33 不破の関の巻 (新字新仮名) / 中里介山(著)
なるほど、あやまって射込んだ矢一筋ではあるが、御殿の床下へ入ったものを、そのままにして置けない、もっともな言い分だ。
大菩薩峠:34 白雲の巻 (新字新仮名) / 中里介山(著)
「さあ、どうぞあちらへ。」狐の子がもっともらしくからだを曲げてをパチパチしながら林のおくを手で教えました。
雪渡り (新字新仮名) / 宮沢賢治(著)
しかもっとも哀れな男の標本も寄生者たることをにくむ、否、少なくとも寄生者であると知られることを憎んでゐる。
結婚と恋愛 (新字旧仮名) / エマ・ゴールドマン(著)
「いやに物驚きをするぜ、もっとも姐御がそうやって、まア、まア――と眼を一杯に見開いたところは馬鹿に可愛らしいんだが」
大江戸黄金狂 (新字新仮名) / 野村胡堂(著)
もっとも太子に対し後世の仏家が附会した伝説は実に多く、中には仏教徒の自己弁護のためと思われるものもすくなくない。
大和古寺風物誌 (新字新仮名) / 亀井勝一郎(著)
もっともそれはその筈なので、もとこの家は何とか云う絵かきが建てて、モデル女を細君にして二人で住んでいたのだそうです。
痴人の愛 (新字新仮名) / 谷崎潤一郎(著)
もっとも貧弱な体格よりはこのくらいな肉づきの方が、洋服には似合う訳ですけれど、何を云うにも困ったのはその顔だちです。
痴人の愛 (新字新仮名) / 谷崎潤一郎(著)
もっとも自分で書いて自分で雑誌を出す道楽な文士は多少ますかも知れないが、それは実施の上になって見なければ分らない。
文芸委員は何をするか (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
もっともこの西洋人は上靴スリッパー穿いて、島田の借りている部屋の縁側までのそのそ歩いてくる癖をっていた。
道草 (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
こういう意味の手紙を一方では岸本も貰わないではなかった。もっとも、そう言って寄してくれる人に限ってずっと年は若かった。
新生 (新字新仮名) / 島崎藤村(著)
もっとも私に関するさまざまのことはこれは決して公にいたしません。まあ罰金だけ納めて下さってそれでいゝやうな訳です。
税務署長の冒険 (新字旧仮名) / 宮沢賢治(著)
云われている意味は、議論のための議論にとらわれてしまうのは間違っている、というもっともな、わかりやすいことらしかった。
道標 (新字新仮名) / 宮本百合子(著)
……もっともこうした正木先生の化石集めや、神社仏閣の縁起調べは、その当時から、決して無意義な道楽ではありませんでした。
ドグラ・マグラ (新字新仮名) / 夢野久作(著)
もっとも誰にも書けないと云うのは、文を技倆ぎりょうの点や、人間を活躍させる天賦てんぷの力を指すのではない。
「どうも古くさい狂言きょうげんだ。だが、古いものは古いほど安心して使える、といわれるが、なるほどもっともな話だなあ」
東京要塞 (新字新仮名) / 海野十三(著)
もっともこれは豚の方では、それが生れつきなのだし、充分じゅうぶんによくなれていたから、けしていやだとも思わなかった。
フランドン農学校の豚 (新字新仮名) / 宮沢賢治(著)
もっとも、最初さいしょべつわたくしをおみやまつるまでのはなしわけではなく
もっとも、真理の基準を単に実践に求めることは、知識の内在的な基準を否定し、その自律性を否定することになるであろう。
哲学入門 (新字新仮名) / 三木清(著)
もっとも僕は、今日の編集者が、どれだけ正しく科学小説を育て得られるか、その点についてかねて大きな疑問を持っている。
もっとも及ぶべからざるは、未だ一面もなき小林民部の事、二子より申しつかわしたれば、小林のためにまた大いに周旋せり。
吉田松陰 (新字新仮名) / 徳富蘇峰(著)
もっともこの改良の中間に今一つ、棒の片仮名のヘの字のごとく屈曲したものを使って、その背中をもって打っている者もあった。
木綿以前の事 (新字新仮名) / 柳田国男(著)
この趣味の誇張は末永く継承せられ、もっともらしくしてしかも取留めもないニホヒとかヒビキとかいう説法が繁昌するに至った。
木綿以前の事 (新字新仮名) / 柳田国男(著)
便所は勿論、湯殿までが上下二つあって、それで家賃が七十円だというのである――もっとも、物価のまだ安い時分ではあったが。
芝、麻布 (新字新仮名) / 小山内薫(著)
代助はこの迂遠うえんで、又もっとも困難の方法の出立点しゅったつてんから、程遠からぬ所で、蹉跌さてつしてしまった。
それから (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
「兄さんがどうしましたって」と聞き直した。代助が先の質問を繰り返した時、嫂はもっと無頓着むとんじゃくな調子で、
それから (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
もっとも人見廣介自身が、何かの職について、世間並な生活を営もうなんて、神妙なかんがえは持っていなかったのです。
パノラマ島綺譚 (新字新仮名) / 江戸川乱歩(著)
もっともその方は「それには及ばぬ」と云うことで無事に済んだが、雪子が受けた災難の方は何としても償いようがなかった。
細雪:01 上巻 (新字新仮名) / 谷崎潤一郎(著)
私はこの小説以外は一日に三十枚、時には四十枚も書くのが普通の例で、もっとも、考えている時間の方が、書くよりも長い。
もっともこゝではそんなに深く説き及ぶ迄もないのであるから、たゞ順序として、物語の進行に必要な面にだけ触れて置こう。
少将滋幹の母 (新字新仮名) / 谷崎潤一郎(著)
「二人の仲に、改めてなんて水ッぽいものはないはずです。もっともあなたの方じゃ気が変って一時私を捨てたでしょうがね」
江戸三国志 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
もっともグラウンドのポプラアだけは不相変欝々あいかわらずうつうつと茂ったこずえに寂しい風の音を宿しながら。
もっとも本当のピアノは高価たかいから、この頃では和製の手軽い安いのがドッサリ出来るからで、正にピアノ全盛になって来た。
もっともそうなれば、初刷の頁も平常に復する訳だから、とくに元日に限って書かねばならぬ必要も消滅するかも知れない。
元日 (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
もっと靴下くつしたもポケットに入ってゐるし必ず下らなければならないといふことはない、けれどもやっぱりこっちを行かう。
台川 (新字旧仮名) / 宮沢賢治(著)
もっとも、盗み食いだけは、どんなにいい機会に恵まれても、湯殿での父の言葉を覚えていて、断じてやらないことにした。
次郎物語:01 第一部 (新字新仮名) / 下村湖人(著)
もっとも当時競漕きょうそうの選手になっていた岡田は、体格でははるかに川上なんぞにまさっていたのである。
(新字新仮名) / 森鴎外(著)
もっとも書きあげて一週間もたつと、今度は見るのが怖しいような気持になり、題名を思いだしてもゾッとするようになってしまう。
土の中からの話 (新字新仮名) / 坂口安吾(著)
もっとも今日の日本画家のうちに面白い道を切り開きそうになっている人が少しはある、まだいられるかもしれないが知らない。
旅の男 ここらの人はよく知らないので、不思議に思うのももっともですが、南の方へゆけば青蛙神を疑う者はありません。
青蛙神 (新字新仮名) / 岡本綺堂(著)
もっとも近辺でも評判の娘で、しとやかに遠山台とおやまだいを持ってまいりまして、小左衞門の前へすえて、挨拶をいたします。
「うむ、そういうのももっともだが、きみだちの間だけで羞かしいことになっていても、僕らには何でもない物なんだよ。」
蜜のあわれ (新字新仮名) / 室生犀星(著)
右のような一年前に空想に過ぎなかった大計画も、今日は国民にもっともと思わしむるに足る昭和維新原動力の有力な一つとなった。
戦争史大観 (新字新仮名) / 石原莞爾(著)
「本当とも、もっともそれは暗示ヒントだけだ、あとは、あの劇場のちらしの裏を、赤い光線で読んで万事を知ったのだ」
青い眼鏡 (新字新仮名) / 野村胡堂(著)
もっともこの地方の百姓たちで、もしそれがあきっぽい性格なら、百姓をやめて他国に移住するか、自殺でもするよりか仕方がない。
南方郵信 (新字新仮名) / 中村地平(著)
もっともこういう言葉の側からいうと、元禄の句がやや力の乏しいのは、必ずしもこの句に限ったわけではない。牡丹に雨雲を配した
古句を観る (新字新仮名) / 柴田宵曲(著)
「ごもっともでござる。まあ、こうなったのも、貴殿の運命と達観して、もう一献いっこんお過しなさい、お酌いたそう」
江戸三国志 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
あらゆる古来の天才は、我我凡人の手のとどかない壁上のくぎに帽子をかけている。もっとも踏み台はなかったわけではない。
侏儒の言葉 (新字新仮名) / 芥川竜之介(著)
もっとも、わたくしは弟子のしつけ方は随分きびしい方で、世間ではかみなり師匠とか云っているそうですが、いかにわたくしが雷でも
半七捕物帳:35 半七先生 (新字新仮名) / 岡本綺堂(著)
「老人」を読んだ人は老人にも同情し、妾をももっともだと思い、その中の何人にも人間らしい親しみを感ぜずにはいられないだろう。
志賀直哉氏の作品 (新字新仮名) / 菊池寛(著)
もっとも当時はあまり本を読む方でも無かったが、かく自分の時間というものが無いのだから、止むを得ず俳句を作った。
正岡子規 (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
如何にももっとも至極という風に幾度も幾度もうなずかせられたのは、はたから見て滑稽とはいえ、当然過ぎるほど当然な事であった。
暗黒公使 (新字新仮名) / 夢野久作(著)
それは一おうもっともなる怨言うらみごとであれど、神界しんかいには神界しんかいおきてというものがあるのです。
もっとも、ほんとの主題は、この二人の方でなくて別にあるのだから、どうでもよいというものの、事実は決してつくりごとではない。
もっとも、こんな名前は、人間の子供達の仲間によりも、一群の妖精達につけた方がふさわしいような気もするけれども。
つまり、それは書物を読むのが好きなことであるが、もっともその内容の如何いかんなどはちっとも問題にしなかった。
何か恐ろしく早口にチチコフに囁やいた――もっともその窓は地面とすれすれなくらい低かったのだが――どうやらそれは
もっとも、時には私怨から其の信者でない者迄告発して来ることも確かにあるらしいが、と其の知人は笑いながら語った。
南島譚:03 雞 (新字新仮名) / 中島敦(著)
もっとも南岳の絵もその全体の布置ふち結構けっこうその他筆つきなどもよく働いて居つてもとより軽蔑すべきものではない。
病牀六尺 (新字旧仮名) / 正岡子規(著)
元来熊肉料理は肋肉をもっともとし、その脂肪潤沢に乗ったところを賞味するのですから、脊肉では至味とは言えません。
香熊 (新字新仮名) / 佐藤垢石(著)
もっともそれまでもお留守の時は、そこで本を見て時を過したので、そろそろ退庁の時刻になると、そこらを片附けます。
鴎外の思い出 (新字新仮名) / 小金井喜美子(著)
が、藤十郎は、見物のたわいもない妄動もうどうの裡に、深いもっともな理由のあるのを、看取しない訳には行かなかったのである。
藤十郎の恋 (新字新仮名) / 菊池寛(著)
もっとも苦しくて物の言えぬ場合がないではなく、僕も初めはそう解釈したが、唖だとして見れば、説明がいかにもはっきりつくのだ。
呪われの家 (新字新仮名) / 小酒井不木(著)
もっとも、今日でもどうかすると、幕間何十分などという例がないでもないから、その頃としてはそれが普通であったのかも知れない。
明治劇談 ランプの下にて (新字新仮名) / 岡本綺堂(著)
「ははははは。間違いでもあっちゃならないというのかね。もっともだよ。この道ばかりは全く油断がならないからな。」
すみだ川 (新字新仮名) / 永井荷風(著)
もっともこれは水蒸気の分量によるから一概に論ずることは出来ないが、ほぼこの位の割合に考えて差支ないのであろう。
(新字新仮名) / 中谷宇吉郎(著)
「お前が聞こうという気さえもって居れば、きっと聞えるにちがいないんだ、もっともおまえにその気がなければ仕方がないが……。」
後の日の童子 (新字新仮名) / 室生犀星(著)
平次の問はもっともすぎるほどでした。御家人竹は、しばらく考え深そうに腕を組んで、半眼に眼をつぶって、うなっております。
――私はちょっとも油断せんと聞いてましたけど、態度がえらい真剣らしいて、いうことも一と通りもっとものように思われますねん。
(新字新仮名) / 谷崎潤一郎(著)
もっともあなたのいつぞやのおはがきは、非常に冷嘲の意ほのめきて見え候故、それには少からず不快にて候故、そのことならば申候。
女は情熱に駆られると、不思議にも少女らしい顔をするものである。もっともその情熱なるものはパラソルに対する情熱でも差支えない。
侏儒の言葉 (新字新仮名) / 芥川竜之介(著)
もっとも不愉快なる方法によって、健全なる文芸の発達を計るとの漠然たる美名の下に、行政上に都合よき作物さくぶつのみを奨励して
文芸委員は何をするか (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
もっとも岸本の皮肉は節子の胸にこたえたと見え、彼女からは用事の手紙の端に次のような言葉を書き添えてよこした。
新生 (新字新仮名) / 島崎藤村(著)
もっとも若い男のことだから、美しい女給の誰かにお思召ぼしめしのあったらしいことは言うだけ野暮やぼである。
電気看板の神経 (新字新仮名) / 海野十三(著)
もっとも、政党の争闘あらそいなどはなるべく避けている方で、祖先から伝わった業務の方におもに身を入れた。
家:01 (上) (新字新仮名) / 島崎藤村(著)
もっとも動物性食品には含水炭素がんすいたんそほとんどないからこれは当然植物から採らなければならない。
ビジテリアン大祭 (新字新仮名) / 宮沢賢治(著)
もっともこの女中は、本能的掃除をしても、「舌のそよぎ」をしても、活溌で間に合うので、木村は満足している。
あそび (新字新仮名) / 森鴎外(著)
永「もっとも幼少の時分からと云う訳じゃアないが、七八年あとから少々因縁有って御出家にならっしゃッたじゃ」
敵討札所の霊験 (新字新仮名) / 三遊亭円朝(著)
もっとも真面目な話の最中に彼女がいきなり突拍子もなく笑い出したり、家へけ込んでしまったりするような場合もあったけれど。
イオーヌィチ (新字新仮名) / アントン・チェーホフ(著)
もっとも私だけ中座して早く帰宅するという意味のことを旅先から予め小酒井さんの所へ手紙で申し入れて置きました。
小酒井さんのことども (新字新仮名) / 国枝史郎(著)
さて、これはこれでよいとして、こう書いて来た順序として何かもっともらしいことを云って、この茶話のしめくくりをつけたいものだ。
今昔茶話 (新字新仮名) / 国枝史郎(著)
如何に取扱が不平なりとてまさかに飯の事を彼是かれこれと口ぎたなく言ひ得べきにもあらねばそれももっともなり。
従軍紀事 (新字旧仮名) / 正岡子規(著)
もっとも外国でこの種の研究が行われていない一つの理由は、日本に較べて、雪の質が物の運搬に適していることによるのかもしれない。
(新字新仮名) / 中谷宇吉郎(著)
「おことば、重々ごもっともでござりますが、ほかならぬお世襲よつぎの問題、幕府や他藩へ対しても、おおやけにはできませぬ」
牢獄の花嫁 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
「ヘッ、その辺は矢張やっぱり昔の姐御だ、――もっともお月様の光じゃ、はっきり判らねえが、美しいことも昔の通りらしいネ」
裸身の女仙 (新字新仮名) / 野村胡堂(著)
「なるほどな、――お前の言うのももっともだ。その二千両が還りさえすりゃ、三人の者は腹を切らなくて済むだろう」
もっとも観察の精疎は直に句の価値を決定する所以にはならぬから、以上の理由だけを以て、この句をすぐれたものとするわけではない。
古句を観る (新字新仮名) / 柴田宵曲(著)
市之助の議論を彼はいちいちもっともとは思わなかったが、籠から鶯を放してやるだけに、武士が家重代の刀を売る。
鳥辺山心中 (新字新仮名) / 岡本綺堂(著)
真上より真下にくだる井戸の如き道ありて、所謂いわゆるダンジョンはもっとも低く尤も暗き所に地獄と壁一重を隔てて設けらるる。
幻影の盾 (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
お初が、べらべらと、しゃべり立てているうちに、平馬、妙な顔つきになって来た。それももっとも、かなり手ひどいコキ下ろし方なのだ。
雪之丞変化 (新字新仮名) / 三上於菟吉(著)
やんちゃな彼女が、さももっともらしく桜の枝を上げたり下げたりしているのがおかしく、彼等はひとりでに笑えた。
高台寺 (新字新仮名) / 宮本百合子(著)
「さあ、どうぞあちらへ。」狐の子がもっともらしくからだを曲げて眼をパチパチしながら林の奥を手で教へました。
雪渡り (新字旧仮名) / 宮沢賢治(著)
銀杏加藤の奥方は、それを、どうしても後の意味にしか取ることができないでいるのももっともなことだと思われる。
大菩薩峠:33 不破の関の巻 (新字新仮名) / 中里介山(著)
もっとも、論理主義は知識の普遍妥当性をただ形式的に明かにするのみであって、抽象的であるといわれるであろう。
哲学入門 (新字新仮名) / 三木清(著)
もっとも血液型の研究には未完成の所があり、絶対性があるとはいえないかも知れませんが、そうなると妻の貞淑にも絶対性はありません。
血液型殺人事件 (新字新仮名) / 甲賀三郎(著)
稚き時に父母に従うはもっともなれども、嫁いりて後に夫に従うとはいかにしてこれに従うことなるや、その従うさまを問わざるべからず。
学問のすすめ (新字新仮名) / 福沢諭吉(著)