“御情”のいろいろな読み方と例文
読み方割合
おなさけ41.7%
おんなさけ41.7%
おこゝろ8.3%
おなさ8.3%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
御情おなさけだよ、頂戴しな。」とせたるてのひらに握らすれば、屠犬児は樹にうおを獲たる心地、呆れてくぼめる眼をみはりぬ。
貧民倶楽部 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
今、この瞳に宿れるしずくは、母君の御情おんなさけの露を取次ぎ参らする、したたりぞ、とたもとを傾け、差寄せて、差俯さしうつむき、はらはらと落涙して
草迷宮 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
去年使ふてやつた恩も忘れ上人様に胡麻摺り込んで、たつ此度こんどの仕事をうと身の分も知らずに願ひを上げたとやら、清吉の話しでは上人様に依怙贔屓えこひいき御情おこゝろはあつても
五重塔 (新字旧仮名) / 幸田露伴(著)
羊の御厄介になったり、かいこの御世話になったり、綿畠の御情おなさけさえ受けるに至っては贅沢ぜいたくは無能の結果だと断言しても好いくらいだ。
吾輩は猫である (新字新仮名) / 夏目漱石(著)