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御情
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おなさけ
ふりがな文庫
“
御情
(
おなさけ
)” の例文
「
御情
(
おなさけ
)
だよ、頂戴しな。」と
痩
(
や
)
せたる
掌
(
てのひら
)
に握らすれば、屠犬児は樹に
魚
(
うお
)
を獲たる心地、呆れて
窪
(
くぼ
)
める眼を
睜
(
みは
)
りぬ。
貧民倶楽部
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
けれども、それは、ただ
編輯者
(
へんしゅうしゃ
)
の
御情
(
おなさけ
)
で誌上にあらわれただけで、一銭の稿料にもならなかったらしい。自分が彼の生活難を耳にしたのはこの時である。
永日小品
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
結ぶ時とぞ
成
(
なり
)
にき澤の井
密
(
ひそか
)
に徳太郎君に
向
(
むか
)
ひかね/\君の
御情
(
おなさけ
)
を蒙り
嬉
(
うれ
)
しくもまた
悲
(
かな
)
しくいつか
御胤
(
おたね
)
を
大岡政談
(旧字旧仮名)
/
作者不詳
(著)
彼
(
かれ
)
は
彼
(
かれ
)
此
(
これ
)
は
此
(
これ
)
と
陰
(
かげ
)
になりてのお
指圖
(
さしづ
)
に
古參
(
こさん
)
の
婢女
(
ひと
)
も
侮
(
あな
)
どらず
明日
(
きのふ
)
の
我
(
わ
)
れ
忘
(
わす
)
れし
樣
(
やう
)
な
樂
(
らく
)
な
身
(
み
)
になりたるは
孃
(
じよう
)
さまの
御情
(
おなさけ
)
一
ツ
なり
此御恩
(
このごおん
)
何
(
なん
)
として
送
(
おく
)
るべき
彼
(
か
)
の
君
(
きみ
)
さまに
廻
(
めぐ
)
り
逢
(
あ
)
はゞ
二人共々
(
ふたりとも/″\
)
心
(
こゝろ
)
を
五月雨
(旧字旧仮名)
/
樋口一葉
(著)
もっともこれは
逆桟道
(
さかさんどう
)
の
祟
(
たた
)
りだと一概に断言する気でもない、さっきから案内の初さんの方で、だいぶ
御機嫌
(
ごきげん
)
が好いので、相手の寛大な
御情
(
おなさけ
)
につけ上って
坑夫
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
▼ もっと見る
一伍一什
(
いちぶしじふ
)
物語り右に付私し儀
主人
(
しゆじん
)
の身代り御仕置に相成樣願しかど夫さへ御
取上
(
とりあげ
)
なければ此上は何卒
貴僧
(
あなた
)
樣の御慈悲
御情
(
おなさけ
)
で九助が一命
御助
(
おんたす
)
け成れて下さらば
誠
(
まこと
)
に有難う御座りますと申せば可
睡齋
(
すゐさい
)
聞
(
きゝ
)
てイヤ
佛道
(
ぶつだう
)
は人を
大岡政談
(旧字旧仮名)
/
作者不詳
(著)
思
(
おもひ
)
での
我
(
わ
)
れなるに
此身
(
このみ
)
ある
故
(
ゆゑ
)
に
孃
(
じよう
)
さまの
戀
(
こひ
)
叶
(
かな
)
はずとせば
何
(
なん
)
とせん
身
(
み
)
退
(
しり
)
ぞくは
知
(
し
)
らぬならねど
義理
(
ぎり
)
ゆゑ
斯
(
か
)
くと
御存
(
ごぞん
)
じにならば
御情
(
おなさけ
)
ぶかき
御心
(
おこゝろ
)
として
人
(
ひと
)
は
兎
(
と
)
もあれ
我
(
われ
)
よくばと
仰
(
おほ
)
せらるゝ
物
(
もの
)
でなし
左
(
さ
)
らでも
御弱
(
およわ
)
きお
生質
(
たち
)
なるに
如何
(
いかに
)
つきつめた
御覺悟
(
おかくご
)
を
五月雨
(旧字旧仮名)
/
樋口一葉
(著)
やっとの事で安さんの
御情
(
おなさけ
)
で出て来れば、「よく路が分ったな」と空とぼけている。
坑夫
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
寄
(
よ
)
せてお
前
(
まへ
)
さまは
何故
(
なぜ
)
そのやうに
御心
(
おこゝろ
)
よわい
事
(
こと
)
仰
(
おほ
)
せられるぞ
八重
(
やへ
)
は
元來
(
もとより
)
愚鈍
(
ぐどん
)
なり
相談
(
はな
)
してからが
甲斐
(
かひ
)
なしと
思
(
おぼ
)
しめしてか
馴
(
な
)
れぬ
御使
(
おつか
)
ひも一
心
(
しん
)
は一
心
(
しん
)
先方
(
かなた
)
さまどの
樣
(
やう
)
な
御情
(
おなさけ
)
しらずで
有
(
あ
)
らうとも
貫
(
つらぬ
)
かぬといふ
事
(
こと
)
ある
樣
(
やう
)
なし
何
(
なに
)
ともしてお
望
(
のぞ
)
み
屹度
(
きつと
)
叶
(
かな
)
へさせますものを
五月雨
(旧字旧仮名)
/
樋口一葉
(著)
御
常用漢字
中学
部首:⼻
12画
情
常用漢字
小5
部首:⼼
11画
“御情”で始まる語句
御情合
御情思
御情意