“尤(モツトモ)” の例文
あの円満(ウマ)し人(ビト)が、どうしてこんな顔つきになるだらう、と思はれる表情をすることがある。其面(オモ)もちそつくりだ、と尤(モツトモ)らしい言ひ分なのである。
死者の書 (新字旧仮名) / 折口信夫(著)
凡隊中患難(クハンナン)相救(アヒスクヒ) 困厄(コンヤク)相護(アヒマモ)リ 義気(ギキ)相責(セメ) 条理(ヂヤウリ)相糺(アヒタダシ) 若クハ独断(ドクダン)果激(クハゲキ) 儕輩(サイハイ)ノ妨(サマタゲ)ヲ成シ 若クハ儕輩(サイハイ)相推(アヒオ)シ 乗(ジヨウジ)レ勢(イキホヒニ)テ他人ノ妨(サマタゲ)ヲ為ス 是尤(モツトモ)慎(ツヽシ)ム 可キ所 敢(アヘ)テ 或(アルヒハ)犯(オカ)ス勿レ
海援隊約規 (新字旧仮名) / 坂本竜馬(著)
郎女たちの居る女部屋(ヲンナベヤ)までも、何時(イツ)もづか/″\這入(ハヒ)つて来て、憚(ハバカ)りなく古物語りを語つた、あの中臣志斐媼(ナカトミノシヒノオムナ)——。あれと、おなじ表情をして居る。其も、尤(モツトモ)であつた。
死者の書 (新字旧仮名) / 折口信夫(著)
如何(イカガ)お考へ遊ばしまする。おして、奈良へ還れぬでも御座りませぬ。尤(モツトモ)、寺方でも、候人(サブラヒビト)や、奴隷(ヤツコ)の人数を揃へて、妨げませう。併(シカ)し、御館(ミタチ)のお勢ひには、何程の事でも御座りませぬ。
死者の書 (新字旧仮名) / 折口信夫(著)