“もつ”のいろいろな漢字の書き方と例文
カタカナ:モツ
語句割合
55.0%
28.0%
6.4%
2.8%
1.7%
1.2%
0.7%
0.5%
0.5%
0.2%
0.2%
0.2%
所有0.2%
0.2%
0.2%
最少0.2%
0.2%
0.2%
0.2%
0.2%
臓物0.2%
0.2%
葛藤0.2%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
毛といふ毛はこと/″\く蛇で、其の蛇は悉く首をもたげて舌を吐いて、もつるゝのも、ふのも、ぢあがるのも、にじり出るのも見らるゝ
毒と迷信 (新字旧仮名) / 小酒井不木(著)
けら殿どのを、ほとけさんむし馬追蟲うまおひむしを、鳴聲なきごゑでスイチヨとぶ。鹽買蜻蛉しほがひとんぼ味噌買蜻蛉みそがひとんぼ考證かうしようおよばず、色合いろあひもつ子供衆こどもしう御存ごぞんじならん。
寸情風土記 (旧字旧仮名) / 泉鏡花(著)
大抵たいていうちではこめ菱餅ひしもちすのが常例じやうれいであるが勘次かんじにはさういふひまがないのでおつぎはわづか小豆飯あづきめしたい重箱ぢゆうばこもつつたのであつた。
(旧字旧仮名) / 長塚節(著)
「だれが意気地ばかりで命がけになれるものか。早い話がお手前にしろ、お十夜にしろ、みな胸に一もつある仕事ではないか。——周馬にはその報酬がない」
鳴門秘帖:03 木曾の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
レーノォは熱心な科学の徒弟だが、同時に、すごい浪費をやる道楽者でもあって、女友達関係のもつれで、絶えず問題を起しているような男だった。
悪の花束 (新字新仮名) / 久生十蘭(著)
つひ隊長たいちやうにんりてもつとなへ、其次そのつぎもつ隊長たいちやうす。ここおいこれす。婦人ふじん(九)左右前後跪起さいうぜんごききみな(一〇)規矩繩墨きくじようぼくあたり、あへこゑいだすものし。
あながちにおのが見証をもつて世に吹聴ふいちやうせんとにはあらず、唯だ吾が鈍根劣機を以てして、ほ且つこの稀有けうの心証にあづかることを得たるうれしさ、かたじけなさのおさへあへざると、且つは世の
予が見神の実験 (新字旧仮名) / 綱島梁川(著)
などと思う事が次第にもつれて、それなりけりに夢さ。
しかし、工場主の前田弥平氏はその機構の中の一つの細胞のように愉快な笑いで語りながら、彼らと一緒にもつれていた。それは嵐を孕んだ青白い雲だった。
仮装観桜会 (新字新仮名) / 佐左木俊郎(著)
今更未練が出てお勢を捨るなどという事は勿躰もったいなくて出来ず、と言ッて叔母に詫言わびごとを言うも無念、あれもいやなりこれも厭なりで思案の糸筋がもつれ出し、肚のうちでは上を下へとゴッタ返えすが
浮雲 (新字新仮名) / 二葉亭四迷(著)
故にアリストテレスが戯曲論を立つるももつぱら悲哀戯曲に就て言へるなり。
罪過論 (新字旧仮名) / 石橋忍月(著)
すゝみ申樣天一坊樣御身分の儀は只今たゞいまの書付にてくはしく御承知ならんが御腹の儀御不審ふしんもつともに存候されば拙者より委細ゐさい申上べしそもたう將軍樣紀州きしう和歌山わかやま加納將監方かなふしやうげんかたに御部屋住にて渡らせ給ふせつ將監しやうげんさい召使めしつか腰元こしもとさはと申婦女ふぢよ上樣うへさま御情おんなさけかけさせられ御胤を
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
アウエリヤヌヰチはドクトルの廉潔れんけつで、正直しやうぢきるのはかねてもつてゐたが、しかれにしても、二萬ゑんぐらゐたしか所有もつてゐることゝのみおもふてゐたのに、くといては
六号室 (旧字旧仮名) / アントン・チェーホフ(著)
にし何処のふとだかね? ワルソウのふとだか、それとももつと遠くのふとだか? いつから煉瓦積になつたのけ?」
椋のミハイロ (新字旧仮名) / ボレスワフ・プルス(著)
小夜衣さよぎぬと改めしか是も突出つきだし其日より評判もつともよかりければ日夜の客絶間たえまなく全盛ぜんせい一方ならざりけり茲に神田三河町にしち兩替渡世を
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
あげ泣出なきいだすゆゑ越前守殿は言葉ことばしづかにコリヤ/\三吉最少もつと前へ出よ何も怕事こはいことはなしなくな/\サア/\好物いゝものを遣はさうと饅頭まんぢうを紙にのせて與へられ是を
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
またひと建築けんちく本義ほんぎは「實」であるとふかもれぬ。いづれがせいいづれがじやであるかは容易よういわからない。ひと心理状態しんりじやうたい個々こゝことなる、その心理しんり境遇きやうぐうしたが移動いどうすべき性質せいしつもつる。
建築の本義 (旧字旧仮名) / 伊東忠太(著)
抱いて通ったのか、もつれて飛んだのか、まるでうつつで、ぐたりと肩にっかかったまま、そうでしょう……引息をほっと深く、木戸口で
白花の朝顔 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
申立けるこそをかしけれ扨さしも種々いろ/\樣々さま/″\もつれし公事くじ成りしが今日の一度にて取調べすみに相成口書の一だんまでに及びけり嗚呼あゝ善惡ぜんあく應報おうはういちじるしきはあざなへるなはの如しと先哲せんてつ言葉ことばむべなるかな村井長庵は三州藤川在岩井村に生立おひたち幼年えうねんの頃より心底こゝろざまあしく成長するにしたが惡行あくぎやう増長ぞうちやうして友達の勘次郎と云者を
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
(事実海驢はそういう生理の動物かどうか知らなかったけれど)室子は、シュミーズを脱いで、それで身体を拭い捨て、頭を振って、髪のもつれを振り放ちながら、今朝の空腹の原因を突き止めた。
(新字新仮名) / 岡本かの子(著)
臓物もつが、焙った仔豚が出、鴨、鷓鴣しゃこ花甘藍はなキャベツ、クリーム入りのまんじゅう、ミルクをかけた凝乳、ジェリー、そして最後にジャムつきの薄焼ブリンがでた。
(新字新仮名) / アントン・チェーホフ(著)
もつちやんだつて屹度きつと何とかしてくれるに違ひない。」と私はさきに久しぶりで佐賀へ青服を着て帰つて来た友達をも頼みにしてゐた。
ある職工の手記 (新字旧仮名) / 宮地嘉六(著)
アア偶々たまたま咲懸ッた恋のつぼみも、事情というおもわぬいてにかじけて、可笑しく葛藤もつれたえにしの糸のすじりもじった間柄、海へも附かず河へも附かぬ中ぶらりん、月下翁むすぶのかみ悪戯たわむれ
浮雲 (新字新仮名) / 二葉亭四迷(著)