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持
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もつ
ふりがな文庫
“
持
(
もつ
)” の例文
同伴者
(
つれ
)
は
親類
(
しんるゐ
)
の
義母
(
おつかさん
)
であつた。
此人
(
このひと
)
は
途中
(
とちゆう
)
萬事
(
ばんじ
)
自分
(
じぶん
)
の
世話
(
せわ
)
を
燒
(
や
)
いて、
病人
(
びやうにん
)
なる
自分
(
じぶん
)
を
湯
(
ゆ
)
ヶ
原
(
はら
)
まで
送
(
おく
)
り
屆
(
とゞ
)
ける
役
(
やく
)
を
持
(
もつ
)
て
居
(
ゐ
)
たのである。
湯ヶ原ゆき
(旧字旧仮名)
/
国木田独歩
(著)
大抵
(
たいてい
)
の
家
(
うち
)
では
米
(
こめ
)
の
菱餅
(
ひしもち
)
を
出
(
だ
)
すのが
常例
(
じやうれい
)
であるが
勘次
(
かんじ
)
にはさういふ
暇
(
ひま
)
がないのでおつぎは
僅
(
わづか
)
に
小豆飯
(
あづきめし
)
を
炊
(
たい
)
て
重箱
(
ぢゆうばこ
)
を
持
(
もつ
)
て
行
(
い
)
つたのであつた。
土
(旧字旧仮名)
/
長塚節
(著)
亭主
(
ていしゅ
)
持
(
もつ
)
なら理学士、文学士
潰
(
つぶし
)
が利く、女房
持
(
も
)
たば音楽師、
画工
(
えかき
)
、産婆三割徳ぞ、ならば
美人局
(
つつもたせ
)
、げうち、板の間
挊
(
かせ
)
ぎ等の
業
(
わざ
)
出来て
然
(
しか
)
も英仏の語に長じ
風流仏
(新字新仮名)
/
幸田露伴
(著)
憎み給ふゆゑ
何
(
どう
)
幸
(
さいは
)
ひのあるべきや
偖
(
さて
)
又
(
また
)
庄兵衞
(
しやうべゑ
)
は
傘谷
(
からかさだに
)
に
桂山道宅
(
かつらやまだうたく
)
と云醫師ありて毎日雇れ居たり此醫者隨分小金を
持
(
もつ
)
たる樣子を見
請
(
うけ
)
奪
(
うば
)
ひ取んと
爰
(
こゝ
)
に
惡念
(
あくねん
)
を
大岡政談
(旧字旧仮名)
/
作者不詳
(著)
番町
(
ばんちやう
)
の
旦那
(
だんな
)
といふは
口數
(
くちかず
)
少
(
すくな
)
き
人
(
ひと
)
と
見
(
み
)
えて、
時
(
とき
)
たま
思
(
おも
)
ひ
出
(
だ
)
したやうにはた/\と
團扇
(
うちは
)
づかひするか、
卷煙草
(
まきたばこ
)
の
灰
(
はひ
)
を
拂
(
はら
)
つては
又
(
また
)
火
(
ひ
)
をつけて
手
(
て
)
に
持
(
もつ
)
てゐる
位
(
くらゐ
)
なもの
うつせみ
(旧字旧仮名)
/
樋口一葉
(著)
▼ もっと見る
成程
(
なるほど
)
ハー
左様
(
さやう
)
かね、
夫
(
それ
)
ぢや
宅
(
うち
)
へ
置
(
おい
)
ても
詰
(
つま
)
らぬから
持
(
もつ
)
てつて
呉
(
く
)
れ、
序
(
ついで
)
に
其所
(
そこ
)
に大きな
瓶
(
かめ
)
があるぢやらう、誠に
邪魔
(
じやま
)
になつて
往
(
い
)
かぬから
夫
(
それ
)
も一
緒
(
しよ
)
に
持
(
もつ
)
て
行
(
ゆ
)
くが
宜
(
よ
)
い。
士族の商法
(新字旧仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
「はい。」と
言
(
い
)
つて
引下
(
ひきさが
)
つたが
分
(
わか
)
らない。
女房
(
かみさん
)
に、「
一寸
(
ちよつと
)
鍋下
(
なべした
)
を
持
(
もつ
)
て
來
(
こ
)
い、と
言
(
い
)
つたが
何
(
なん
)
だらう。」と。
廓そだち
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
『生きて
居
(
ゐ
)
るなら、
何
(
どん
)
なに遠くつても、お金を
持
(
もつ
)
て、訪ねて
行
(
ゆ
)
くけれど、お墓になつて
居
(
ゐ
)
てはねえ!』
父の墓
(新字旧仮名)
/
田山花袋
(著)
とお嬢様は
口早
(
くちばや
)
に云つた。山崎は目で
点頭
(
うなづ
)
いて駆けて行つた。平井は其跡を追つて行かうとした拍子に、手に
持
(
もつ
)
たお
納戸
(
なんど
)
のとクリイム色のと二本の傘を下に
落
(
おと
)
した。
御門主
(新字旧仮名)
/
与謝野晶子
(著)
耳の遠い髪の臭い薄ぼんやりした
女
(
おんな
)
ボオイに、義理一遍のビイルや紅茶を命ずる面倒もなく、一円札に対する
剰銭
(
つりせん
)
を五分もかかって
持
(
もつ
)
て来るのに気をいら立てる必要もなく
銀座
(新字新仮名)
/
永井荷風
(著)
まづ
責任
(
せきにん
)
を
閑過
(
かんくわ
)
する一
例
(
れい
)
を
申
(
まを
)
しませう。それは
重
(
おも
)
に
外出
(
ぐわいしゆつ
)
などに
就
(
つい
)
て
起
(
おこ
)
る
事柄
(
ことがら
)
で、
塾生
(
じゆくせい
)
の
身
(
み
)
は
無論
(
むろん
)
私
(
わたくし
)
が
其
(
そ
)
の
親
(
おや
)
から
責任
(
せきにん
)
を
持
(
もつ
)
て
預
(
あづか
)
つてゐるのですから
出入
(
ではいり
)
に
就
(
つき
)
ては
行先
(
ゆくさき
)
を
明瞭
(
めいれう
)
にして
置
(
お
)
きます。
女教邇言
(旧字旧仮名)
/
津田梅子
(著)
誰
(
たれ
)
しも
想像
(
そう/″\
)
し
得
(
え
)
られる
通
(
とほ
)
り、
校舍
(
こうしや
)
は
新築
(
しんちく
)
でありながら
全部
(
ぜんぶ
)
潰
(
つぶ
)
れてしまつた。わづかに
身
(
み
)
を
持
(
もつ
)
て
免
(
のが
)
れた
校長以下
(
こうちよういか
)
の
職員
(
しよくいん
)
は
這
(
は
)
ふようにして
中庭
(
なかには
)
にまで
出
(
で
)
ると、
目前
(
もくぜん
)
に
非常
(
ひじよう
)
な
現象
(
げんしよう
)
が
起
(
おこ
)
り
始
(
はじ
)
めた。
地震の話
(旧字旧仮名)
/
今村明恒
(著)
料理人
(
クツク
)
は
片手
(
かたて
)
に
胡椒
(
こせう
)
の
箱
(
はこ
)
を
持
(
もつ
)
て
居
(
ゐ
)
ました、
愛
(
あい
)
ちやんは
已
(
すで
)
に
彼
(
かれ
)
が
法廷
(
ほふてい
)
に
入
(
はい
)
らぬ
前
(
まへ
)
に、
戸口
(
とぐち
)
に
近
(
ちか
)
く、
通路
(
とほりみち
)
に
居
(
ゐ
)
た
人民
(
じんみん
)
どもが、
急
(
きふ
)
に
嚏
(
くさめ
)
をし
初
(
はじ
)
めたので、
直
(
たゞち
)
にそれが
誰
(
だれ
)
であつたかを
推察
(
すゐさつ
)
しました。
愛ちやんの夢物語
(旧字旧仮名)
/
ルイス・キャロル
(著)
あまり心が
激
(
あせ
)
り過ぎて、乗出さぬ先から手綱を
持
(
もつ
)
手が震えました。
藁草履
(新字新仮名)
/
島崎藤村
(著)
先生
(
せんせい
)
を
訪
(
と
)
ふた、
翌日
(
よくじつ
)
でした、
使者
(
しゝや
)
が
手紙
(
てがみ
)
を
持
(
もつ
)
て
來
(
き
)
て
今
(
いま
)
から
生徒
(
せいと
)
十
數名
(
すうめい
)
を
連
(
つ
)
れて
遠足
(
ゑんそく
)
にゆくが
君
(
きみ
)
も
仲間
(
なかま
)
に
加
(
くは
)
はらんかといふ
誘引
(
さそひ
)
です。
日の出
(旧字旧仮名)
/
国木田独歩
(著)
潔白の
我
(
わが
)
心中を
忖
(
はか
)
る事出来ぬ
爺
(
じい
)
めが
要
(
いら
)
ざる
粋立
(
すいだて
)
馬鹿
(
ばか
)
々々し、一生に一つ
珠運
(
しゅうん
)
が作意の新仏体を刻まんとする程の
願望
(
のぞみ
)
ある身の、何として今から妻など
持
(
もつ
)
べき
風流仏
(新字新仮名)
/
幸田露伴
(著)
「そんぢやおめえさん
燃
(
もう
)
す
物
(
もの
)
にや
不自由
(
ふじいう
)
なしでえゝな」
婆
(
ばあ
)
さんは
羨
(
うらや
)
まし
相
(
さう
)
にいつた。さうして
小
(
ちひ
)
さな
木片
(
もくへん
)
を
入
(
いれ
)
る
爲
(
ため
)
に
持
(
もつ
)
て
來
(
き
)
た
麻
(
あさ
)
の
穢
(
きたな
)
い
袋
(
ふくろ
)
を
草刈籠
(
くさかりかご
)
から
出
(
だ
)
した。
土
(旧字旧仮名)
/
長塚節
(著)
暫
(
しばら
)
くするとお
姫様
(
ひめさま
)
が、
蒔絵
(
まきゑ
)
のお
吸物膳
(
すひものぜん
)
にお
吸物椀
(
すひものわん
)
を
載
(
の
)
せ、すーツと
小笠原流
(
をがさはらりう
)
の
目
(
め
)
八
分
(
ぶ
)
に
持
(
もつ
)
て出て
来
(
き
)
ました。
士族の商法
(新字旧仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
持
(
もつ
)
て又々穀平方へ
到
(
いた
)
り御
芳志
(
はうし
)
の段
忝
(
かたじ
)
けなし
然
(
さり
)
ながら斯る大金を申
請
(
うけ
)
べき
譯
(
わけ
)
は
更
(
さら
)
に無しとて
種々
(
いろ/\
)
に
斷
(
ことわ
)
りけるを
大岡政談
(旧字旧仮名)
/
作者不詳
(著)
時たま思ひ出したやうにはたはたと
団扇
(
うちは
)
づかひするか、
巻煙草
(
まきたばこ
)
の灰を払つては又火をつけて手に
持
(
もつ
)
てゐる位なもの、絶えず
尻目
(
しりめ
)
に雪子の
方
(
かた
)
を眺めて困つたものですなと言ふばかり
うつせみ
(新字旧仮名)
/
樋口一葉
(著)
けれども
尚
(
な
)
ほ
僕
(
ぼく
)
は
大島小學校
(
おほしませうがくかう
)
の
出身
(
しゆつしん
)
なることを、
諸君
(
しよくん
)
の
如
(
ごと
)
き
立派
(
りつぱ
)
な
肩書
(
かたがき
)
を
持
(
もつ
)
て
居
(
を
)
らるる
中
(
うち
)
で
公言
(
こうげん
)
して
少
(
すこし
)
も
恥
(
はぢ
)
ず、
寧
(
むし
)
ろ
誇
(
ほこ
)
つて
吹聽
(
ふいちやう
)
したくなるのです。
日の出
(旧字旧仮名)
/
国木田独歩
(著)
持
(
もつ
)
て榊原殿へ
達
(
たつ
)
せよと
早打
(
はやうち
)
の
直使
(
つかひ
)
を立られ榊原家の
老臣
(
らうしん
)
伊奈兵右衞門へ
御用状
(
ごようじやう
)
をぞ渡しける御
用状
(
ようじやう
)
の
趣
(
おもむ
)
き
大岡政談
(旧字旧仮名)
/
作者不詳
(著)
えゝ、
何
(
なに
)
かソノ
承
(
うけたま
)
はりまして
驚入
(
おどろきい
)
りましたがね。真「エ、
何
(
なに
)
を
驚
(
おどろ
)
いた。甚「
何
(
なん
)
だか
貴方
(
あなた
)
はソノお
邸
(
やしき
)
から
持
(
もつ
)
てお
出
(
いで
)
なすつたてえことで。真「エ。甚「
盗
(
ぬす
)
んで
来
(
き
)
たつてね。 ...
八百屋
(新字旧仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
三
人
(
にん
)
が
田甫
(
たんぼ
)
を
往復
(
わうふく
)
してから
暫
(
しばら
)
く
經
(
た
)
つて
村落
(
むら
)
の
内
(
うち
)
からは
何處
(
どこ
)
の
家
(
いへ
)
からも
提灯
(
ちやうちん
)
持
(
もつ
)
て
田甫
(
たんぼ
)
の
道
(
みち
)
を
老人
(
としより
)
と
子供
(
こども
)
とがぞろ/″\
通
(
とほ
)
つた。
勘次
(
かんじ
)
は
提灯
(
ちやうちん
)
の
火
(
ひ
)
を
佛壇
(
ぶつだん
)
の
燈明皿
(
とうみやうざら
)
へ
移
(
うつ
)
した。
土
(旧字旧仮名)
/
長塚節
(著)
妹
(
いもと
)
という者
持
(
もっ
)
ても見たらば
斯
(
こう
)
も可愛い者であろうかと迷う程いとしゅうてならぬ御前が、
眼
(
め
)
に見えた
艱難
(
かんなん
)
の
淵
(
ふち
)
に沈むを見ては居られぬ、何私が善根
為
(
し
)
たがる
慾
(
よく
)
じゃと笑うて気を大きく
持
(
もつ
)
がよい
風流仏
(新字新仮名)
/
幸田露伴
(著)
そこねもして
愛想
(
あいそ
)
づかしの
種
(
たね
)
にもならば
云
(
い
)
はぬに
増
(
まさ
)
る
愁
(
つ
)
らさぞかし
君
(
きみ
)
さまこそ
無情
(
つれなし
)
とも
思
(
おも
)
ふ
心
(
こゝろ
)
に二
ツ
は
無
(
な
)
し
不孝
(
ふかう
)
か
知
(
し
)
らねど
父樣
(
とゝさま
)
母
(
はゝ
)
さま
何
(
なん
)
と
仰
(
おほ
)
せらるゝとも
他處
(
よそ
)
ほかの
誰
(
た
)
れ
良人
(
をつと
)
に
持
(
もつ
)
べき
八重
(
やへ
)
は
一生
(
いつしやう
)
良人
(
をつと
)
は
持
(
も
)
たずと
云
(
い
)
ふものから
我
(
わ
)
が
身
(
み
)
とは
自
(
おのづか
)
ら
異
(
ことな
)
りて
關係
(
かゝ
)
はることなく
心安
(
こゝろやす
)
かるべし
浦山
(
うらやま
)
しやと
浦山
(
うらやま
)
るゝ
我
(
われ
)
を
五月雨
(旧字旧仮名)
/
樋口一葉
(著)
振
(
ふ
)
り
向
(
む
)
くと、それがボズさんと
後
(
のち
)
に
知
(
し
)
つた
老爺
(
ぢいさん
)
であつた。七十
近
(
ちか
)
い、
背
(
せ
)
は
低
(
ひく
)
いが
骨太
(
ほねぶと
)
の
老人
(
らうじん
)
で
矢張
(
やはり
)
釣竿
(
つりざを
)
を
持
(
もつ
)
て
居
(
ゐ
)
る。
都の友へ、B生より
(旧字旧仮名)
/
国木田独歩
(著)
はい
此方
(
こつち
)
へお
出
(
いで
)
なさい、
骨
(
こつ
)
を
入
(
い
)
れる物を
持
(
もつ
)
てお
出
(
いで
)
なすつたか。金「イエ、
何
(
なに
)
か
買
(
か
)
はうと
思
(
おも
)
つたが
大分
(
だいぶ
)
高
(
たけ
)
えやうですから、
彼所
(
あすこ
)
に二
升
(
しよう
)
壜
(
どつこり
)
の口の
欠
(
かけ
)
たのがあつたから
彼
(
あれ
)
を
持
(
もつ
)
て
来
(
き
)
ました。 ...
黄金餅
(新字旧仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
人
(
ひと
)
は
人以上
(
ひといじやう
)
の
者
(
もの
)
になることは
出來
(
でき
)
ない、
然
(
しか
)
し
人
(
ひと
)
は
人
(
ひと
)
の
能力
(
のうりよく
)
の
全部
(
ぜんぶ
)
を
盡
(
つく
)
すべき
義務
(
ぎむ
)
を
持
(
もつ
)
て
居
(
ゐ
)
る。
此義務
(
このぎむ
)
を
盡
(
つく
)
せば
則
(
すなは
)
ち
英雄
(
えいゆう
)
である、これが
先生
(
せんせい
)
の
英雄經
(
えいゆうきやう
)
です。
日の出
(旧字旧仮名)
/
国木田独歩
(著)
おや、山に十の字の
焼印
(
やきいん
)
があるね、
是
(
これ
)
は
己
(
おれ
)
ン
所
(
とこ
)
の
沢庵樽
(
たくあんだる
)
ぢやアないか。金「
何
(
なん
)
だか知れませぬが
井戸端
(
ゐどばた
)
に水が
盛
(
は
)
つてあつたのを
覆
(
こぼ
)
して
持
(
もつ
)
て
来
(
き
)
ましたが、ナニ
直
(
ぢき
)
に明けてお返し
申
(
まうし
)
ます。 ...
黄金餅
(新字旧仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
出やうが
早
(
はや
)
いと
魔劫
(
まごふ
)
が
未
(
ま
)
だ
除
(
と
)
れないから
何時
(
いつ
)
かはこれを
持
(
もつ
)
て居るものに
禍
(
わざはひ
)
するものじや、
一先
(
ひとまづ
)
拙者が
持歸
(
もちかへ
)
つて三年
經
(
たつ
)
て
後
(
のち
)
貴君
(
あなた
)
に
差上
(
さしあ
)
げることに
仕
(
し
)
たいものぢや
石清虚
(旧字旧仮名)
/
国木田独歩
(著)
端書
(
はしがき
)
せよとの
需
(
もとめ
)
はあれど。筆
持
(
もつ
)
すべも
白炭
(
しらすみ
)
や。
焼
(
やか
)
ぬ昔の雪の枝炭屋の妻程黒からで鈍き作意の
炭手前
(
すみでまえ
)
。曲り
形
(
なり
)
なる飾り炭。
唯
(
たゞ
)
管炭
(
くだずみ
)
のくだ/\しけれど。
輪炭
(
わずみ
)
胴炭
(
どうずみ
)
点炭
(
てんずみ
)
と重ねて御求めの
有之様
(
これあるよう
)
。
塩原多助一代記
(新字新仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
『
病氣
(
びやうき
)
に
良
(
よ
)
くない、』『
雨
(
あめ
)
が
降
(
ふ
)
りさうですから』など
宿
(
やど
)
の
者
(
もの
)
がとめるのも
聞
(
き
)
かず、
僕
(
ぼく
)
は
竿
(
さを
)
を
持
(
もつ
)
て
出掛
(
でか
)
けた。
人家
(
じんか
)
を
離
(
はな
)
れて四五
丁
(
ちやう
)
も
泝
(
さかのぼ
)
ると
既
(
すで
)
に
路
(
みち
)
もなければ
畑
(
はたけ
)
もない。
都の友へ、B生より
(旧字旧仮名)
/
国木田独歩
(著)
プウと明るいよ……こりや歩ける……今までは
両方
(
りやうはう
)
の手を
持
(
もつ
)
て
腰
(
こし
)
を
抱
(
だ
)
いて
貰
(
もら
)
はんと
便所
(
ようば
)
へも
行
(
い
)
けなかつたが……これは
妙
(
めう
)
だ、歩ける……運動に出て
来
(
き
)
たのか
何
(
なん
)
だか
分
(
わか
)
らん……おや向うへ
女
(
をんな
)
が一人
行
(
ゆ
)
く
明治の地獄
(新字旧仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
帰つて見ると
未
(
ま
)
だ
元子
(
もとこ
)
は
帰宅
(
かへつ
)
て居ない。
房
(
ふさ
)
も
気慊
(
きげん
)
を取る言葉がないので
沈黙
(
だまつ
)
て横を向いてると、銀之助は自分でウヰスキーの
瓶
(
びん
)
とコツプを
持
(
もつ
)
て二階へ
駈
(
か
)
け上がつた。
節操
(新字旧仮名)
/
国木田独歩
(著)
直
(
すぐ
)
に
出
(
で
)
かけたが
間
(
ま
)
もなく竹の
皮包
(
かはづゝみ
)
を
二包
(
ふたづゝみ
)
持
(
もつ
)
て
帰
(
かへ
)
つて
参
(
まゐ
)
り、金
黄金餅
(新字旧仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
これを
聞
(
き
)
くや
否
(
いな
)
や、ラクダルは
手
(
て
)
に
持
(
もつ
)
て
居
(
ゐ
)
た
無花果
(
いちじく
)
を
力任
(
ちからま
)
かせに
投
(
な
)
げて
怫然
(
ふつぜん
)
と
親父
(
おやぢ
)
の
方
(
かた
)
に
振
(
ふ
)
り
向
(
む
)
き
怠惰屋の弟子入り
(旧字旧仮名)
/
国木田独歩
(著)
唐繻子
(
たうじゆす
)
の
丸帯
(
まるおび
)
を
締
(
し
)
め小さい
洋傘
(
かうもりがさ
)
を
持
(
もつ
)
て
這入
(
はいつ
)
て
来
(
き
)
ました。
世辞屋
(新字旧仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
巡査
(
じゆんさ
)
は
此處
(
こゝ
)
で
初
(
はじめ
)
て
新聞
(
しんぶん
)
を
手離
(
てばな
)
した。
自分
(
じぶん
)
はホツと
呼吸
(
いき
)
をして
我
(
われ
)
に
返
(
かへ
)
つた。
義母
(
おつかさん
)
はウンともスンとも
言
(
い
)
はれない。
別
(
べつ
)
に
我
(
われ
)
に
返
(
かへ
)
る
必要
(
ひつえう
)
もなく
又
(
ま
)
た
返
(
かへ
)
るべき
我
(
われ
)
も
持
(
もつ
)
て
居
(
ゐ
)
られない
湯ヶ原ゆき
(旧字旧仮名)
/
国木田独歩
(著)
近
(
ちかづ
)
いて
視
(
み
)
ると
例
(
れい
)
の石を
持
(
もつ
)
て居るので大に
驚
(
おどろ
)
き其
男
(
をとこ
)
を
曳
(
ひき
)
ずつて
役場
(
やくば
)
に出て
盜難
(
たうなん
)
の
次第
(
しだい
)
を
訴
(
うつた
)
へた。
石清虚
(旧字旧仮名)
/
国木田独歩
(著)
立
(
た
)
つたり、しやがんだりして
居
(
ゐ
)
るばかりで、
手拭
(
てぬぐひ
)
も
持
(
もつ
)
て
居
(
ゐ
)
ないらし、
又
(
ま
)
た
何時
(
いつ
)
出
(
で
)
る
風
(
ふう
)
も
見
(
み
)
えず、三
時間
(
じかん
)
でも五
時間
(
じかん
)
でも一日でも、あアやつて
居
(
ゐ
)
るのだらうと
自分
(
じぶん
)
には
思
(
おも
)
はれた。
湯ヶ原ゆき
(旧字旧仮名)
/
国木田独歩
(著)
実は
僕
(
ぼく
)
今夜は五円札一枚しか
持
(
もつ
)
て居ないのだ。これは僕の
小使銭
(
こづかひせん
)
の余りだから
可
(
い
)
いやうなものゝ
若
(
も
)
しか二十円と
纏
(
まとま
)
ると、
鍵
(
かぎ
)
の番人をして居る
妻君
(
さいくん
)
の手からは
兎
(
と
)
ても取れつこない。
節操
(新字旧仮名)
/
国木田独歩
(著)
僕
(
ぼく
)
はお
絹
(
きぬ
)
が
梨
(
なし
)
をむいて、
僕
(
ぼく
)
が
獨
(
ひとり
)
で
入
(
は
)
いつてる
浴室
(
よくしつ
)
に、そつと
持
(
もつ
)
て
來
(
き
)
て
呉
(
く
)
れたことを
思
(
おも
)
ひ、
二人
(
ふたり
)
で
溪流
(
けいりう
)
に
沿
(
そ
)
ふて
散歩
(
さんぽ
)
したことを
思
(
おも
)
ひ、
其
(
その
)
優
(
やさ
)
しい
言葉
(
ことば
)
を
思
(
おも
)
ひ、
其
(
その
)
無邪氣
(
むじやき
)
な
態度
(
たいど
)
を
思
(
おも
)
ひ、
其
(
その
)
笑顏
(
ゑがほ
)
を
思
(
おも
)
ひ
湯ヶ原より
(旧字旧仮名)
/
国木田独歩
(著)
『これは
異
(
い
)
なことを
言
(
い
)
はるゝものじや、あんな
大
(
おほき
)
な
石
(
いし
)
が
如何
(
どう
)
して
袂
(
たもと
)
へ
入
(
はひ
)
る
筈
(
はず
)
がない』と
老人
(
ろうじん
)
に言はれて見ると、
袖
(
そで
)
は
輕
(
かる
)
く
風
(
かぜ
)
に
飄
(
ひるが
)
へり、手には一本の
長
(
なが
)
い
杖
(
つゑ
)
を
持
(
もつ
)
ばかり、
小石
(
こいし
)
一つ持て居ないのである。
石清虚
(旧字旧仮名)
/
国木田独歩
(著)
『
最早
(
もう
)
解
(
わか
)
つてますよ。それで
余
(
あと
)
の
分
(
ぶん
)
は
何
(
いづ
)
れ二三日
中
(
うち
)
に
持
(
もつ
)
て来ます。』
節操
(新字旧仮名)
/
国木田独歩
(著)
持
常用漢字
小3
部首:⼿
9画
“持”を含む語句
心持
持上
気持
住持
矜持
金持
扶持
持出
癇癪持
家持
兇状持
持合
持来
御扶持
受持
所持
面持
迫持
岡持
維持
...