もつ)” の例文
この下には雑多な岩が並ぶとみえて、ちらちらちらちらと玉のすだれを百千にくだいたよう、くだん鰐鮫わにざめの巌に、すれつ、もつれつ。
高野聖 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
しかし、工場主の前田弥平氏はその機構の中の一つの細胞のように愉快な笑いで語りながら、彼らと一緒にもつれていた。それは嵐を孕んだ青白い雲だった。
仮装観桜会 (新字新仮名) / 佐左木俊郎(著)