“縋付”の読み方と例文
読み方割合
すがりつ100.0%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
宮はやにはに蹶起はねおきて、立たんと為れば脚のいたみもろくも倒れて効無かひなきを、やうや這寄はひよりて貫一の脚に縋付すがりつき、声と涙とを争ひて
金色夜叉 (新字旧仮名) / 尾崎紅葉(著)
今では御本丸へ出仕するような身分になっているのを幸い、是非にもと縋付すがりついてごく内々ないないに面会を請うた次第であった。
散柳窓夕栄 (新字新仮名) / 永井荷風(著)
また打上ぐる波に呑去られてはたまらずと、海賊の巨魁きょかいが身を縛して死しいる大檣にシカと縋付すがりついて眺むるに、暗憺あんたんな海上には海坊主のごとく漂える幾多の怪物見ゆ眼を定めて見れば
南極の怪事 (新字新仮名) / 押川春浪(著)