“暗憺”の読み方と例文
読み方割合
あんたん100.0%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
そして東京に向かって電車が動き出すと、また絶望と自嘲がよみがえって来て、暗憺あんたんたる気持になったのであるが、もうすでに時は遅かった。
いのちの初夜 (新字新仮名) / 北条民雄(著)
私は再び暗憺あんたんたる気持ちになった。これは、いけない。「馬鹿」で救われて、いい気になっていたら、ひどい事になった。
(新字新仮名) / 太宰治(著)
その心、夜に似て暗憺あんたん、いひしらず汚れにたれど、また一種の美、たとへば、濁江の底なる眼、哀憐あいりん悔恨の凄光せいこうを放つが如きもの無きにしもあらず。
海潮音 (新字旧仮名) / 上田敏(著)