“あんたん”のいろいろな漢字の書き方と例文
語句割合
暗澹87.6%
暗憺8.2%
黯淡1.2%
黯澹1.2%
闇澹0.6%
闇憺0.6%
黯黮0.6%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
しかも、夢はやぶれて、業は半ばというよりは、時も暗澹あんたんなうちに、世を終わられたことである。御無念はいうまでもなかったろう。
私本太平記:13 黒白帖 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
私は再び暗憺あんたんたる気持ちになった。これは、いけない。「馬鹿」で救われて、いい気になっていたら、ひどい事になった。
(新字新仮名) / 太宰治(著)
駅吏あらかじメ亭ヲはらツテ待ツ。すなわチ酒ヲ命ジテ飲ンデ別ル。(児精一郎ハ藩命ヲ以テ東京ニ留学ス)過午草加そうか駅ニ飯ス。越ヶ谷こしがや大沢ヲ粕壁かすかべノ駅ニ投ズ。諸僚佐皆来ツテ起居ヲうかがフ。晩間雲意黯淡あんたんタリ。
下谷叢話 (新字新仮名) / 永井荷風(著)
黯澹あんたんたる「仇敵きゅうてき」独り心にはびこりて
天主てんしゆより。——闇澹あんたんとして二列ふたならび
邪宗門 (新字旧仮名) / 北原白秋(著)
闇澹あんたん氷雨ひさめやすらし。
邪宗門 (新字旧仮名) / 北原白秋(著)
闇憺あんたんとわが夜はくだつ。
第二邪宗門 (新字旧仮名) / 北原白秋(著)
数息すそくの間にして火の手は縦横にはびこりつつ、納屋の内に乱入れば、噴出ふきいづる黒烟くろけふりの渦はあるひくづれ、或は畳みて、その外を引韞ひきつつむとともに、見えわたりし家も土蔵もうづたか黯黮あんたんの底に没して、闇は焔に破られ
金色夜叉 (新字旧仮名) / 尾崎紅葉(著)