“黒烟”のいろいろな読み方と例文
読み方割合
こくえん26.3%
くろけぶり21.1%
くろけむり21.1%
くろけふ15.8%
こくゑん5.3%
くろけふり5.3%
くろけむ5.3%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
雨はんだ代りに、風が少し出て、その黒烟こくえんとその火とが恐ろしい勢で、次第に其領分をひろめて行く。寺の鐘、半鐘、叫喚、大叫喚※
重右衛門の最後 (新字旧仮名) / 田山花袋(著)
乗客はいづれもらちの中へと急いだ。さかん黒烟くろけぶりを揚げて直江津の方角から上つて来た列車は豊野停車場ステーションの前で停つた。高柳は逸早いちはや群集ひとごみの中を擦抜すりぬけて、一室のを開けて入る。
破戒 (新字旧仮名) / 島崎藤村(著)
しかるにその子供は親よりもふとって、せいも高く、また脂ぎって艶々として色も真黒く、今を盛りに毒々しい黒烟くろけむりを吐いているのだと思った。また下に建てられた平屋も大きかった。
暗い空 (新字新仮名) / 小川未明(著)
もち前の疳癪かんしやくしたにえがたく、智識の坊さまが目に御覧じたらば、炎につつまれて身は黒烟くろけふりに心は狂乱の折ふし、言ふ事もいふ事、金は敵薬てきやくぞかし
大つごもり (新字旧仮名) / 樋口一葉(著)
たちま山岳さんがく鳴動めいどうし、黒烟こくゑん朦朧もうろう立昇たちのぼる、その黒烟こくゑん絶間たえまながめると、猛狒ゴリラ三頭さんとうとも微塵みじんになつてくだんだ、獅子しゝ大半たいはん打斃うちたをれた、途端とたん水兵すいへい
数息すそくの間にして火の手は縦横にはびこりつつ、納屋の内に乱入れば、噴出ふきいづる黒烟くろけふりの渦はあるひくづれ、或は畳みて、その外を引韞ひきつつむとともに、見えわたりし家も土蔵もうづたか黯黮あんたんの底に没して、闇は焔に破られ
金色夜叉 (新字旧仮名) / 尾崎紅葉(著)
黒烟くろけむ高くなびかせて
天地有情 (旧字旧仮名) / 土井晩翠(著)