“こくえん”のいろいろな漢字の書き方と例文
語句割合
黒煙56.3%
黒烟31.3%
黒猿6.3%
黒鉛6.3%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
轟然ごうぜんと砲門は黒煙こくえんをぱっと吹き出して震動しんどうした。甲板かんぱんも艦橋も、こわされそうに鳴り響き、そしてぐらりと傾斜けいしゃした。
黒烟こくえんを吐いて本牧ほんもくの沖に消えて行く巨船の後ろ影を見送っているうちに、兵馬は、壮快な感じから、一種の悲痛な情が湧いて来るのを、禁ずることができません。
大菩薩峠:17 黒業白業の巻 (新字新仮名) / 中里介山(著)
それはあたかも一個の黒猿こくえんが両手に白いほのおを振りかざして行くようだった。
新・水滸伝 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
そうして、男爵夫人を乞食に恋のうきみをやつさせて、有名なスカルロンの詩を吟じさせたり、何人なんぴとにも十分の成功を予言したり、霊妙不思議なれ薬、黒鉛こくえんに、安息香に、昇汞しょうこう
大菩薩峠:28 Oceanの巻 (新字新仮名) / 中里介山(著)