“けむり”のいろいろな漢字の書き方と例文
語句割合
54.5%
42.2%
噴煙0.6%
炊煙0.6%
煤煙0.6%
呆然0.3%
莨煙0.3%
紫煙0.3%
香煙0.3%
黒煙0.3%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
鳥部野とりべの一片のけむりとなって御法みのりの風に舞い扇、極楽に歌舞の女菩薩にょぼさつ一員いちにん増したる事疑いなしと様子知りたる和尚様おしょうさま随喜の涙をおとされし。
風流仏 (新字新仮名) / 幸田露伴(著)
もう加減かげんあるいてつて、たにがお仕舞しまひになつたかとおも時分じぶんには、またむかふのはう谷間たにま板屋根いたやねからけむりのぼるのがえました。
ふるさと (旧字旧仮名) / 島崎藤村(著)
彼は今朝からほとんど半日の間、何者を待っているのか、何の瞑想に入っているのか、とにかく、立ちもせず身動きもせず、正面の浅間あさま噴煙けむりと向い合ったままじっとしていた。
剣難女難 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
そして労銀が下層にまでゆき渡るほど、町々の灯や炊煙けむりにも、庶民の謳歌おうかがあらわれてくる。
新書太閤記:08 第八分冊 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
「俺は確かに煤煙けむりを見たよ」
神州纐纈城 (新字新仮名) / 国枝史郎(著)
秋田とサガレンと、鹿児島と千葉の呆然けむりのような女達が、カフェーのテーブルを囲んで遠い古里に手紙を書いている。
放浪記(初出) (新字新仮名) / 林芙美子(著)
煙草のけむり、女の呆然けむり
放浪記(初出) (新字新仮名) / 林芙美子(著)
心境の御変化はどういう理由で……あなた個人の、身辺的事情?……それとも、土地柄政治的原因で……と包囲攻撃のなかで静かに莨煙けむりをたて、折竹は憮然とガウンの紐をいじっている。
人外魔境:10 地軸二万哩 (新字新仮名) / 小栗虫太郎(著)
その莨煙けむりのなかで暫くのあいだ、折竹はじっと考えていたが
人外魔境:10 地軸二万哩 (新字新仮名) / 小栗虫太郎(著)
うそさむい 瑠璃色の空に紫煙けむりを流した
一枝について (新字旧仮名) / 金鍾漢(著)
その祭壇の神々こうごうしさ! 遥かの奥の厨子ずしの内には十字架に掛かった基督キリストの像と嬰児おさなごを抱いたマリアの像がゆる香煙けむりまといながら幻影まぼろしのように立っている。
蔦葛木曽棧 (新字新仮名) / 国枝史郎(著)
黒煙けむりのぼるよふえるよ
全都覚醒賦 (新字旧仮名) / 北原白秋(著)