十月×日 一尺四方の四角な天窓を眺めて、始めて紫色に澄んだ空を見た。 秋が来たんだ。コック部屋で御飯を食べながら私は遠い田舎の秋をどんなにか恋しく懐しく思った。 秋はいゝな……。 今日も一人の女が来た。マシマロのように白っぽい一寸面白そうな …
| 著者 | 林芙美子 |
| ジャンル | 文学 > 日本文学 > 小説 物語 |
| 初出 | 「女人藝術」1928(昭和3)年10月号~1930(昭和5)年10月号 |
| 文字種別 | 新字新仮名 |
| 読書目安時間 | 約3時間28分(500文字/分) |
| 朗読目安時間 | 約5時間47分(300文字/分) |