噴煙けむり)” の例文
本郷森川宿じゅくを出たお綱と万吉とが、中仙道をはかどって、もうそろそろ碓氷峠うすいとうげの姿や、浅間の噴煙けむりを仰いでいようと思われる頃、——三日おくれて、同じ中仙道の宿駅に
鳴門秘帖:03 木曾の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
彼は今朝からほとんど半日の間、何者を待っているのか、何の瞑想に入っているのか、とにかく、立ちもせず身動きもせず、正面の浅間あさま噴煙けむりと向い合ったままじっとしていた。
剣難女難 (新字新仮名) / 吉川英治(著)