“けふり”のいろいろな漢字の書き方と例文
語句割合
烟85.7%
煙14.3%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
一片の焔(ほのほ)は烈々(れつれつ)として、白く颺(あが)るものは宮の思の何か、黒く壊落(くづれお)つるものは宮が心の何か、彼は幾年(いくとせ)の悲(かなしみ)と悔とは嬉くも今その人の手に在りながら、すげなき烟(けふり)と消えて跡無くなりぬ。
金色夜叉 (新字旧仮名) / 尾崎紅葉(著)
盡しけれ共其驗(しるし)なく終(つひ)に享保元年八月十八日歸らぬ旅に赴(おもむ)きけり因(よつ)て女房おもせは深く歎(なげ)きしが今更詮(せん)なきことと村中の者共打寄(より)て成田村なる九品寺(くほんじ)へ葬送(さうそう)なし一偏(ぺん)の烟(けふり)として跡(あと)懇切(ねんごろ)に弔(とふら)ひたり此おもせは至(いたつ)て貞節者(ていせつもの)にて男勝(まさ)りなりければ未だ年若(としわか)なれども後(ご)家を
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
蝋燭の焔(ほのほ)と炭火の熱と多人数(たにんず)の熱蒸(いきれ)と混じたる一種の温気(うんき)は殆(ほとん)ど凝りて動かざる一間の内を、莨(たばこ)の煙(けふり)と燈火(ともしび)の油煙とは更(たがひ)に縺(もつ)れて渦巻きつつ立迷へり。
金色夜叉 (新字旧仮名) / 尾崎紅葉(著)
さしも息苦き温気(うんき)も、咽(むせ)ばさるる煙(けふり)の渦も、皆狂して知らざる如く、寧(むし)ろ喜びて罵(ののし)り喚(わめ)く声、笑頽(わらひくづ)るる声、捩合(ねぢあ)ひ、踏破(ふみしだ)く犇(ひしめ)き、一斉に揚ぐる響動(どよみ)など
金色夜叉 (新字旧仮名) / 尾崎紅葉(著)
貫一は為(せ)う事無しに煙(けふり)を吹きつつ、この赤樫(あかがし)の客間を夜目ながら眗(みまは)しつ。
金色夜叉 (新字旧仮名) / 尾崎紅葉(著)