“むせ”のいろいろな漢字の書き方と例文
語句割合
87.2%
10.2%
嗚咽1.1%
嗔咽0.4%
0.4%
0.4%
0.4%
(注)作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
わたしはそう云いかけたなり、また涙にむせびそうにしました。すると御主人は昔のように、優しい微笑を御見せになりながら、
俊寛 (新字新仮名) / 芥川竜之介(著)
オオ父上かと、人前をも恥じず涙にめる声を振りしぼりしに、皆々さこそあらめとて、これも同情の涙にむせばれぬ。
妾の半生涯 (新字新仮名) / 福田英子(著)
むせぶのをこらえ、涙を飲み落す秀江のけはい——案外、早くそれがおさまって、船端で水をすくう音がした。
金魚撩乱 (新字新仮名) / 岡本かの子(著)
松崎は小早く川から上つて縁側で道具の仕末をしてゐた。釣つて来た若鮎のむせるやうな匂ひが夕闇にみてゐた。そこへ浦子が
(新字旧仮名) / 岡本かの子(著)
母は、塗りの褪せた箪笥にもたれかかり、空になった欝金うこんの財布を、ハンケチの様に目に当てて嗚咽むせった。
十姉妹 (新字新仮名) / 山本勝治(著)
嗚咽むせびかえっているのです、それを見た武の顔はほんとうに例えようがありません、額に青筋を立てて歯を喰いしばるかと思うと、泣き出しそうな顔をして眼をまじまじさせます。
女難 (新字新仮名) / 国木田独歩(著)
風は始終むきが変って、或は清新な空気を吹付けることもあれば、又或は例の臭気に嗔咽むせさせることもある。
部屋の中には苦しそうなむせび声が絶えまなく続いていたが、老栓はそのひびきのおさまるのを待って、静かに口をひらいた。
(新字新仮名) / 魯迅(著)
その車の中には、一人のあでやかな上﨟が、猛火の中に黒髪を乱しながら、悶え苦しんでゐるのでございまする。顔は煙にむせびながら、眉をひそめて、空ざまに車蓋やかたを仰いで居りませう。手は下簾したすだれを引きちぎつて、降りかゝる火の粉の雨を防がうとしてゐるかも知れませぬ。
地獄変 (新字旧仮名) / 芥川竜之介(著)
とあるいひむせかへり
孔雀船 (旧字旧仮名) / 伊良子清白(著)