“おえつ”のいろいろな漢字の書き方と例文
語句割合
嗚咽98.2%
鳴咽1.8%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
うれし泣きに嗚咽おえつするお珠の顔を、むごいような力でいきなり抱きしめると、安太郎は、彼女の唇に情熱のほとばしるままに甘い窒息ちっそくを与えた。
(新字新仮名) / 吉川英治(著)
ううっ、とこもったような嗚咽おえつが、文吉ののどからもれた。くらい欅横丁けやきよこちょうに道をかえて、老夫婦はしばらく無言で突っ立っていた。
日めくり (新字新仮名) / 壺井栄(著)
海波かいは鳴咽おえつあか浮標うき、なかにばめる
邪宗門 (新字旧仮名) / 北原白秋(著)
鳴咽おえつする柿丘の声と、みだらがましい愛撫あいぶの言葉をもってなぐさめはじめた雪子夫人の艶語えんごとをまま、あとに残して、僕はその場をソッと滑るように逃げだすと、跣足はだしで往来へ飛びだしたのだった。
振動魔 (新字新仮名) / 海野十三(著)