“すゝりなき”のいろいろな漢字の書き方と例文
語句割合
歔欷47.8%
欷歔21.7%
啜泣13.0%
嗚咽8.7%
欷咽4.3%
歔欹4.3%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
静子は夫の問いに答えようとしては意志の力では押える事の出来ない、泉のように湧いて来る歔欷すゝりなきの声にさえぎられて、容易に声が出ないのだった。
支倉事件 (新字新仮名) / 甲賀三郎(著)
と答へると、トルストイは急に欷歔すゝりなきをし出した。そして子供のやうにおい/\声を立てて泣き出すので、息子のイリヤも屏風の裏でしく/\泣き入つたといふ事だ。
くびから彼女の小さな手をゆるめて接吻をし、不思議な感動で彼女に向つて泣き、私の啜泣すゝりなきが靜かなすこやかな休息を破ることを恐れて彼女の許を去つたのを。
翌日かれ等三人がその湯元に行つた時には、あたりは晴れて、かゞやかしい日影がさし込んで来てゐた。緑葉の葉裏は風に光つて、谷の底では水の音が嗚咽すゝりなきのやうにかすかに鳴つてゐた。
父親 (新字旧仮名) / 田山花袋田山録弥(著)
そして、妹も己も何故此様な悲哀な境遇に立たねばならぬかと思つて欷咽すゝりなきした。
祭りのどよみも靜まり返つてさしもの賑ひも、今日の一段落を告げましたが、三河屋の家の中ばかりは、まだ歔欹すゝりなきの聲が、何處からともなく響いて、人の心を滅入らせます。