“啜泣”のいろいろな読み方と例文
読み方割合
すすりなき42.9%
すすりな42.9%
すゝりなき10.7%
すゝりな3.6%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
彼が妻のふところ啜泣すすりなきしても足りないほどの遣瀬やるせないこころを持ち、ある時は蕩子たわれお戯女たわれめの痴情にも近い多くのあわれさを考えたのもそれは皆
新生 (新字新仮名) / 島崎藤村(著)
彼女は手で顔をおおうて、自分の生涯を思い出しては半ば啜泣すすりなくという風であった。一寸ちょっと縁側へ出て見て、復た叔父の方へ来た。
家:02 (下) (新字新仮名) / 島崎藤村(著)
忽ち啜泣すゝりなきの聲の背後うしろに起るあり。背後はキケロの温泉いでゆの入口にて、月桂ラウレオ朱欒ザボンの枝繁りあひたれば、われは始より人あるべしとは思ひ掛けざりしなり。
啜泣すゝりなきを止め、涙を拭つて、その朝非常に氣分が惡かつたと云ふやうなことを呟きながら、私は仕事に取り掛つて、終りまでやり遂げた。