“啜上”のいろいろな読み方と例文
読み方割合
すすりあ66.7%
すゝりあ33.3%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
唯今ただいまは御慮外をいたしまして、恐入ってござります。命をつなぐためとは申せ、因業いんごう活計くらしでござりまして、前世さきのよの罪が思い遣られまする。」と啜上すすりあげて、南無阿弥なむあみと小声にて唱え
貧民倶楽部 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
をんなはつと出でし泣音なくねの後をこらへ怺へて啜上すすりあげぬ。
金色夜叉 (新字旧仮名) / 尾崎紅葉(著)
気を変へて、『長野の妹も直に出掛けて来て呉れましたよ。来て見ると、斯光景ありさまでせう。どんなに妹も吃驚びつくりしましたか知れません。』奥様はもう啜上すゝりあげて、不幸な娘の身の上を憐むのであつた。
破戒 (新字旧仮名) / 島崎藤村(著)