“すゝりな”のいろいろな漢字の書き方と例文
語句割合
歔欷50.0%
啜泣12.5%
唏泣12.5%
嗚咽12.5%
欷咽12.5%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
だよう、おとつゝあになぐられつから、おとつゝあ勘辨かんべんしてくろよう」と歔欷すゝりなくやうな假聲こわいろさらきこえた。惘然ばうぜんとしてすべてがどよめいた。
(旧字旧仮名) / 長塚節(著)
啜泣すゝりなきを止め、涙を拭つて、その朝非常に氣分が惡かつたと云ふやうなことを呟きながら、私は仕事に取り掛つて、終りまでやり遂げた。
「ジエィン、あなたが落着くまで少し待ちませう。」そして私が急いで啜泣すゝりなきを止めようと努めてゐる間、彼は机にりかゝつて、ちやうど患者の病氣を豫期した
そして、藍色あゐいろを成した漂渺へうべうとした海の遙か彼方に故郷のあることが思はれ病兒の身の上が思はれ、眼瞼の裏は煮え出して唏泣すゝりなけ、齒はがた/\とふるへわなゝいた。
崖の下 (旧字旧仮名) / 嘉村礒多(著)
あゝ声を揚げて放肆ほしいまゝに泣いたなら、と思ふ心は幾度起るか知れない。しかし涙は頬をうるほさなかつた——丑松は嗚咽すゝりなくかはりに、大きく口を開いて笑つたのである。
破戒 (新字旧仮名) / 島崎藤村(著)
と丑松は上歯をあらはして、大きく口を開いて、身をふるはせ乍ら欷咽すゝりなくやうに笑つた。
破戒 (新字旧仮名) / 島崎藤村(著)