“嗚咽”のいろいろな読み方と例文
読み方割合
おえつ82.2%
をえつ10.7%
むせ1.2%
すゝりなき0.8%
ああ0.4%
お えつ0.4%
すすりあげ0.4%
すすりな0.4%
すすりなき0.4%
すゝりな0.4%
そらなき0.4%
0.4%
なきじゃくり0.4%
むせび0.4%
むせびなき0.4%
むせぶ0.4%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
時に依って万歳の叫喚で送られたり、手巾で名残を惜まれたり、または嗚咽でもって不吉なを受けるのである。列車番号は一〇三。
列車 (新字新仮名) / 太宰治(著)
んだ顏に嗚咽が走つて手を擧げて指さす、少しばかりの空地の隅には、筵を掛けたまゝの、竹松の死體が轉がつて居るではありませんか。
母は、塗りの褪せた箪笥にれかかり、空になった欝金の財布を、ハンケチの様に目に当てて嗚咽った。
十姉妹 (新字新仮名) / 山本勝治(著)
あゝ——お志保だ——お志保の嗚咽だ——斯う思ひ附くと同時に、言ふに言はれぬ恐怖哀憐とが身をふやうに感ぜられる。
破戒 (新字旧仮名) / 島崎藤村(著)
嗚咽、大空の馳使、添はゞや、なれにわが心
海潮音 (新字旧仮名) / 上田敏(著)
眼をひらくと、女はうつ伏して嗚咽していた。俺は何とも云えない可憐な気持に打たれた。女を抱き起して、唇を与えた。
苦力頭の表情 (新字新仮名) / 里村欣三(著)
お隅は顔を外向けて、嗚咽ました。一旦りかかった胸の傷口が復た破れて、烈しく出血するとはこの思いです。残酷な一生の記憶は蛇のように蘇生りました。
藁草履 (新字新仮名) / 島崎藤村(著)
止め度もなく嗚咽いた後で、英国のある老政治家と少女との恋のロオマンスについて彼女特得の薔薇色の感傷と熱情とで、あたかもぽっと出の田舎ものの老爺に
仮装人物 (新字新仮名) / 徳田秋声(著)
遣瀬ないように身を悶えて、お熊は嗚咽の顔をお菊の膝の上に押付けると、夜寒に近い此頃の夜にも奉公人の寝衣はまだ薄いので、若い女房の熱い涙はその寝衣を透して若い下女の柔かい肉に滲んだ。
黄八丈の小袖 (新字新仮名) / 岡本綺堂(著)
あゝ声を揚げて放肆に泣いたなら、と思ふ心は幾度起るか知れない。しかし涙は頬をさなかつた——丑松は嗚咽くかはりに、大きく口を開いて笑つたのである。
破戒 (新字旧仮名) / 島崎藤村(著)
彼は嗚咽き出した。北は何も言へなかつた。
二人の男 (新字旧仮名) / 島田清次郎(著)
昼のままの黄八丈に、赤い帯が娘らしく、その嗚咽も限りなく憐れを誘います。
感激の嗚咽が、静かに時間の軸の上を走っていった。
空襲葬送曲 (新字新仮名) / 海野十三(著)
るぞ」、哄笑、激語、悪罵、歓呼、叱咤、ある小節の歌の文句の腸を断つばかりなる、三絃の調子の嗚咽が如き忽ちにして暴風、忽ちにして春雨、見来れば、歓楽の中に殺気をこめ
空知川の岸辺 (新字旧仮名) / 国木田独歩(著)