“をえつ”のいろいろな漢字の書き方と例文
語句割合
嗚咽89.7%
鳴咽6.9%
嗚噎3.4%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
もう四辺あたりが真つ黒いやみになり、その都度毎に繃帯でしばつた腕に顔を突き伏せ嗚咽をえつしてかすんだ眼から滝のやうに涙を流した。
途上 (新字旧仮名) / 嘉村礒多(著)
怪我人けがにん醫者いしやまへると恐怖きようふおそはれたやうににはか鳴咽をえつした。醫者いしやよこふくれたおほき身體からだでゆつたりと胡坐あぐらをかいたまゝ怪我人けがにんひだりまくつてた。怪我人けがにん上膊じやうはく挫折ざせつしてぶらりとれてた。
(旧字旧仮名) / 長塚節(著)
女に分る筈のないおれの聲のかぎりの嗚噎をえつが、おれが女を抱いてゐる間ぢゆう續いてゐるのだ、どんな偉い奴も、どんな美味いものもいまのおれにはいらない
汽車で逢つた女 (旧字旧仮名) / 室生犀星(著)