“欝金”の読み方と例文
読み方割合
うこん100.0%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
欝金うこん風呂敷ふろしきつつんで、ひざうえしっかかかえたのは、亭主ていしゅ松江しょうこう今度こんど森田屋もりたやのおせんの狂言きょうげん上演じょうえんするについて、春信はるのぶいえ日参にっさんしてりて
おせん (新字新仮名) / 邦枝完二(著)
娘は浮かぬ顔を、愛嬌あいきょうに傾けて、床の間を見る。じくむなしく落ちて、いたずらに余る黒壁の端を、たてって、欝金うこんおいが春を隠さず明らかである。
虞美人草 (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
ずうっと下の方の野原でたった一人野葡萄のぶだうを喰べてゐましたら馬番の理助が欝金うこんの切れを首に巻いて木炭すみの空俵をしょって大股おほまたに通りかかったのでした。
(新字旧仮名) / 宮沢賢治(著)