“漂渺”のいろいろな読み方と例文
読み方割合
ひょうびょう95.0%
へうべう5.0%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
私は北の空を眺めて、高田平野の果てを限る松並木越しに、漂渺(ひょうびょう)たる日本海が晴れた穏かな暁の色を浮べているのを見て、斯う思った。
黒部川奥の山旅 (新字新仮名) / 木暮理太郎(著)
もうそうなると情慾(じょうよく)もなく恋愛もありません、………私の心に感じたものは、そう云うものとは凡(およ)そ最も縁の遠い漂渺(ひょうびょう)とした陶酔でした。
痴人の愛 (新字新仮名) / 谷崎潤一郎(著)
そして、藍色(あゐいろ)を成した漂渺(へうべう)とした海の遙か彼方に故郷のあることが思はれ病兒の身の上が思はれ、眼瞼の裏は煮え出して唏泣(すゝりな)け、齒はがた/\と顫(ふる)へわなゝいた。
崖の下 (旧字旧仮名) / 嘉村礒多(著)